~国際化拠点整備事業「グローバル30」の魅力
夏休みに様々な体験を通して楽しみながら集中的に学ぶ
日本の学校では新年度が始まっています。大学進学では4月に入学する人がいる一方で、秋入学の大学やアメリカの大学への進学を希望する人もいます。秋入学の大学には、上智大や早稲田大の国際教養学部、秋田の公立大学の国際教養大のように英語で授業が行われる大学もあります。さらに、文部科学省の国際化拠点整備事業(大学の国際化のためのネットワーク形成事業)の「グローバル30」に採択された13大学においても英語による授業のみで学位が取得できるコースが開設されており、進路選択の範囲が広がっています。
「グローバル30」は、2020年を目処に30万人の留学生の受け入れを目指す「留学生30万人計画」として08年に策定されました。「グローバル30」のウェブサイトでは、この計画の目的は、「計画の達成を目指し、留学生受け入れ体制の整備をはじめとする大学の国際化へ向けた取り組みを実施し、留学生と切磋琢磨する環境の中で国際的に活躍できる高度な人材を育成すること」であり、「そのために、『英語による授業などの実施体制の構築』『留学生受け入れに関する体制の整備』『戦略的な国際連携の推進』『産業界との連携』『拠点大学間のネットワーク化の推進、資源や成果の共有』などに取り組んでいる」と記されています。
「グローバル30」に採択された大学は、東北大学、筑波大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学、慶応義塾大学、上智大学、明治大学、早稲田大学、同志社大学、立命館大学です。これら13大学において英語による授業のみで学位が取得できるコース数は、学部と大学院を合わせると約300コースあります。各コースの専門分野は、医・歯・薬学、生命科学、農業、エネルギー、環境学、工学、情報・コミュニケーション技術、ビジネス、社会科学、教養学(リベラルアーツ)、人文科学、その他の学際的な分野など、多岐にわたります。
海外で学ぶ子どもたちにとって「グローバル30」の魅力の一つは、英語による授業のみで学位が取得できることです。大学で学ぶほどの日本語力を修得していなくても日本の大学に入れる機会ができました。日本語や日本文化の中で暮らし、大学では英語で勉強ができるのです。
一方、留学生のみではなく帰国生にも門戸を広げている大学もあります。海外で身につけた英語力を帰国後も維持することが可能です。また、多くの留学生と接する機会があり、日本に居ながらにして異文化理解をすることもできます。
このように、「グローバル30」は、今後の国際社会を担う人材を育成できる環境があります。高校卒業後の進路の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
「グローバル30」については、ウェブサイトにてご覧いただけます。
www.uni.international.mext.go.jp/ja-JP/(次回は5月第4週号掲載)
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