多国籍経営者および幹部
グリーンカードには、雇用の内定やその他の雇用に基づいて発行されるものが数種類あります。雇用ベースのグリーンカードについては、連邦規制基準8CFRの204・5項に記載があります。今回は、「多国籍管理職」に関する規定や定義、一般的な概要についてお話しいたします。
多国籍管理職の場合、このグリーンカードのカテゴリー基準は、海外企業から米国の子会社および関連会社に異動となった管理職や役員のためのビザであるL―1Aビザと似ています。ですがこの場合、管理職および役員にはL―1Aビザではなくグリーンカードが付与されます。必要条件は以下の通りです。
米国の雇用主および米国内の多国籍企業両方からの仕事の内定を受ける必要があります。多国籍とは、企業およびその関連会社、または子会社が米国を含む少なくとも2つ以上の国で事業を展開していることを指します。
米国の労働市場テストの必要はありません。対象となる従業員は、過去3年間のうち少なくとも1年間は海外の企業、その関連会社または子会社で管理職や役員として雇用されていることが条件です。対象となる従業員が既に米国で非移民ビザを用いて米国企業で雇用されている場合、非移民ビザでの米国入国直前の3年間のうち少なくとも1年間、海外の企業で管理職または役員として雇用されていたことが条件となります。
定義
•役員職:企業内において、企業の経営や主要な機能構成の管理の指示、目標および方針の設定を行い、幅広い決定権を保持するとともに、上位の役員・取締役会・株主から総合的な管理および指示のみを受ける職を指します。
•管理職 :企業内において、組織全体、部署や課またはグループ等の管理、その他の監督者、専門家または役職者の業務の監督を管理、企業や部署または課、グループにおける日常的な業務運営の監督を行うとともに、人材の雇用、解雇、昇進や休暇等、人事的業務に対する助言を行う権限を持ち、直接的な監督対象となる従業員がいない場合は、企業の管理層または管理部署における上級職員の業務を行う職を指します。
•子会社 :株の半分以上を親会社が所有・管理する、または50/50の合弁事業の場合は親会社が50%を保持する会社を指します。
•関連会社 :同じ親会社または個人により所有・管理される2つの法人のうちの1つ、または同じ組織または個人により所有・管理される2つの会社のうちの1つを指します。
手順
FormI―140(移民労働者のための嘆願書)とともに、以下の点を明確に記載した米国のスポンサー雇用主または企業からの意見書を提出します。
①規定を満たす米国企業の所有権
②申請者である従業員の、規定を満たす海外での管理職としての職歴
③申請者である従業員の管理職/役員職としての責任
提出書類の例は以下の通りです。
―所有権の書類:定款、株券等
―海外における雇用の証拠:海外の企業からの声明文、給与明細等
―米国における雇用主が少なくとも過去1年間経営を行ってきた旨を証明する文書: 確定申告書類、銀行の明細書等
―米国企業の賃貸契約書または証書
―企業の組織図
(弁護士:リチャード A. ニューマン)
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(「WEEKLY Biz」2013年1月26日号掲載)