国も会社も母と子の信頼関係で
5月11日は母の日でしたね。お蔭様で私の両親はともに健在です。自分がこうして元気で頑張ることができることを、父と母、そして神様に心から感謝します。でも“母”は父より偉大なんですよ。だって昔から、母なる大地、母国、母屋と重要なものは全て“母”、“父”は全く出て来ないのですから。(笑)
子供の頃、母親に迷惑をかけた事件がありました。その時、母は私を一生懸命に守ってくれたのです。どんなに駄目な息子であっても決して私を見捨てることはせず、また私の母である事からも逃げない姿に感動したことは、忘れられない想い出です。人間は一人では生きられません。まわりには家族や友人、会社ではスタッフといった大切な人たちがいます。彼らのことは誠心誠意守ってあげられる人間になりたいものですね。
それでは人間社会を大きく見て、母なる国を考えた場合はどうでしょう。例えば、領土問題。母国の領土を守るために何をどこまでするべきなのか、戦争をしてまで守るべきものなのか。さまざまな局面において自国が戦争をしたくなくても相手国がある場合には、戦争が始まる可能性もあります。戦争をして他人を傷つけてまで守るものとは何でしょうか? 私には答えが見つかりません。ただ国民として、母国を母だと思えるのであれば、従うかもしれません。それには、母国はいつでも国民の味方で国民を守ってくれる、そういう母と子の関係に似た信頼関係が必要です。
国のトップを真剣に選び、いつも真剣に自国のことを考えなければなりません。それができていれば、国に何が起こっても国民は決して母国を見放すことはないでしょう。
母(母国)と子(国民)の信頼関係は、日ごろのコミュニケーションなしにはありえません。家庭にも、国家にもコミュニケーションは大切です。そして会社にも。上司の方々は母のごとく部下を見捨てず、いつも彼らの味方となり傍にいながら部下を育てていきましょう。
(次回は6月第4週号掲載)
〈プロフィル〉 中川扶二夫(な かがわふじお) 広島県出身。1988年にニューヨークに一人で渡り起業。在ニューヨーク25年。この間にアムネットをはじめ八つの会社(18拠点)を日米で立ち上げる。成功よりも失敗を肥やしに独自の「家族型経営」が世界で通用するかをチャレンジしている。現在、異業種進出を含め、アジア、南米、欧州へ の進出を計画中。