VIBEプログラムとは、移民局による雇用に基づく永住権および就労ビザ申請の裁定をa強化することを目的としたウェブシステムです。VIBEでは、外国人雇用を申請中の企業や組織についての基本情報を認証するため、市販のデータベースを使用します。現在移民局は、VIBEの導入に向けてシステムの最終調整に入っており、実際に導入する前に入国管理所やサービスセンターでのテスト運用を検討しています。導入されると、雇用主やスポンサーはL―1、H―1、EビザやI―140など雇用に基づいた申請の際、移民局からVIBE内の情報に関する質問や証拠書類の提出も求められるでしょう。
現在、移民局は雇用に基づく申請を審査する際、当職務に対する申請者の適性の証拠として、まず雇用主から提出される書面を使用します。通常雇用主は現行の業務について大量の書面による証拠を提出します。ただし、提出書類が不十分である場合、移民局は更なる書類の追加を求め、結果審査に時間が掛かってしまいます。
移民局はVIBEを通してIIP(Independent information Provider)から雇用主に関する市販の情報をオンラインで入手することができます。情報は、経済活動、業種、資金動向、業績 (好調、不振)、売上高や信用状態といった財政状況、雇用人数 (当社、全国)や設立日、所在地、海外の支店や子会社といった関連会社、雇用主が支社、子会社、支店、本店等のいずれに該当するか、また所有権、法的地位、合同会社、共同経営者、法人、役員など多岐に渡ります。
移民局は米国子会社の海外での親会社の存在や、財政の継続性といった申請者に関する情報を確認するため、VIBEを通して集めた情報を使用します。移民局は雇用主が提出した書面や陳述書とVIBEとの間に矛盾を発見した場合、予め申請者へ回答の機会を与えずにVIBEの情報のみで申請を却下することはありません。この場合、移民局は雇用主へ追加書類の請求や却下通知を送ります。
EB―1、EB―2、EB―3等のカテゴリーを含む永住権申請とその他の雇用に基づくビザ申請を審査する際にVIBEを用います。ただし、EB―1―1(卓越した能力保持者)、EB―2―1 (国益免除)、EB―5 (移民投資家)、Oビザ(卓越能力や実績を持つ個人)、Pビザ(国際的に有名な運動選手、芸能グループ、交流プログラムでのパフォーマーや文化的に優れた芸術家や芸能人)といった申請でVIBEは使用されません。
今のところ、移民局がVIBEの情報を正確、正当に使用するのか、また追加書類の請求を提出前に審査を終了するのかが疑われるところです。また、移民局がVIBEをどういった情報源から得るのか、インターネット上の情報が正しいのかなども疑問です。
(弁護士:リチャード A. ニューマン)
(次回は3月26日号掲載)
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