〈コラム〉最新ビザ事情

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H―1Bビザ、2012年度のキャップに達する

2011年11月22日、米移民局は、今年度(12年度)最後のH―1Bビザの申請を受け付けました。つまり、通常のH―1Bの申請が6万5000件、修士以上の学位保持者用の申請が2万件に達したということです。移民局は12年4月1日、同年10月1日より有効な13年度の新規H―1Bビザの申請の受け付けを始めます。
H―1Bビザの延長や雇用主の変更等、特定のH―1Bビザに関する申請は、引き続き移民局により受け付けられます。また、基礎研究を行う非営利団体や高等教育機関(すなわち大学等)と提携している非営利団体を雇用主とするH―1Bビザの受付も、続けて受け付けられます。
今年のH―1Bビザ申請のキャップ(発給割当数)は、予想をはるかに超えて早く達しました。昨年度のH―1Bビザ申請がキャップに達したのは、11年1月末でした。もし、新規のH―1B申請が必要な従業員がいる場合、雇用主は早めに準備を始めることをお勧めします。

公平な高技術労働者法

米下院は、雇用ベースのグリーンカードの国ごとの発給数の制限をなくす法案(H.R.3012)を提出しました。
長年の間制定されている現行法の下では、雇用ベースのグリーンカード(EB)の全体発給数の7%以上が、一つの国の出身者により占められてはいけないことになっています。ある国からのグリーンカードの申請数が定められた上限を超える場合、米国務省により、その国からのEBグリーンカード申請の打ち切り日が決定されます。その国で出生した外国人は、申請日により決定される順番が、申請中のグリーンカードの種類(EB1、EB2、EB3など)ごとの打ち切り日より前であれば、グリーンカードへのステータス変更を申請することができます。しかし、打ち切り日よりも後であれば、その外国人は出生国からの移民ビザの申請が可能になるまで待機する必要があります。
議会でこの法案が通れば、EBグリーンカードの割当方法は大きく変わるとみられています。各国7%の制限は15年までに排除され、グリーンカードの各カテゴリーごとのウェイティングリストを国別に設ける代わりに、全ての国における単一のウェイティングリストが設けられることになります。単一のウェイティングリストへの変更は、インドや中国など、順番待ちが長い国からの待ち時間を短縮することができる一方、EB2とEB3のカテゴリーにおいては、日本を含むその他の国における待ち時間は長くなるとみられています。
従って、日本で生まれた従業員をサポートする予定がある雇用主は、ウェイティングリスト上で最も有利な場所を確保するため、できる限り早く申請手続きを進める必要があります。
特に、インドと中国国籍の外国人に有利になるであろうことを踏まえたこの法案の意図は、工学や技術的な経験を有する熟練の外国人の待ち時間を短くし、米国への居住を可能にすることだとみえます。国会にて未決の法案はまだ他にも、科学、技術、工学、または数学(STEM)の分野において、修士やそれ以上の高学歴を持つ外国人のための、雇用ベースのグリーンカードの順番待ちを免除するためのものがあります。
(弁護士:リチャード A. ニューマン)
(次回は1月28日号掲載)
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過去の一覧
(「WEEKLY Biz」2011年12月24日号掲載)

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