〈コラム〉米日教育交流協議会・代表 丹羽筆人「在米親子にアドバイス」日米の教育事情

0

帰国生入試の出願書類のための準備

現地校の成績で英語力、補習校の成績で日本語力が判断される

年の瀬は、帰国生大学入試ではすでに大半の入試が終了しており、国立難関大を中心とした一部の入試を残すのみとなっています。一方、年が明けると中学・高校入試の受験シーズンが到来します。帰国生入試では年内に入試を行う学校もありますが、多くの学校は1?2月に入試を行います。そのため年末年始は出願書類の準備や受験勉強の仕上げなどに大忙しとなります。ここでは、帰国生中学・高校入試の出願書類とそれらの準備についてご説明しましょう。
成績証明書は、どの学校にも共通して必要な出願書類です。現地校の成績証明書は、国内生や日本人学校生の調査書・内申書に相当しますが、国や州、学校区などによってさまざまな書式や基準があり、国内生や日本人学校生のように点数化して合否判定に使用されることはあまりありません。現地校での在籍期間やどんな科目を履修したのかを見る程度です。したがって、GPA(評定平均値)はあまり気にしなくてもよいでしょう。ただし、現地校の成績証明書は面接のための参考資料となる場合があり、成績の良い科目とそうでない科目について、その理由などを質問されることを覚悟しておく必要があります。
また、英語圏からの帰国生の場合は、英語力の高さを期待されることも多く、現地校の成績がその判断材料となる場合もあります。一方、英語力を証明するために英検の合格証明やTOEFL、TOEICなどのスコア証明の提出を要求する学校もありますが、そうでない学校でも、これらの証明書を提出することで英語力をアピールできます。受験時期までに計画的にこれらのテストを受験し、合格やスコアアップを図ることをお勧めします。
次に、推薦書はすべての学校で要求されるわけではありません。推薦書が必要な場合には、現地校や日本人学校での学習状況のみではなく課外活動にも力を入れる必要があります。このような学校は学業成績以外にも優れている生徒を獲得したいと考えているからです。スポーツや音楽、美術、そしてボランティアなどに取り組むことをお勧めします。
一方で、補習校の成績証明書や推薦書の提出を求める学校は多くはありません。ただし、提出した場合には参考資料として利用される機会はあります。そこでは日本語での学力や学習意欲、日本の学校での適応力などを評価してもらえるでしょう。したがって、補習校での学習にも熱心に取り組むことが大切です。
このほかにも、海外在留期間証明書やパスポートのコピーなどを求める学校もあります。なお、出願書類に関する詳細は、必ず志望校の募集要項をご確認ください。
(次回は1月28日号掲載)(「WEEKLY Biz」2011年12月24日号掲載)
◇ ◇ ◇
米日教育交流協議会のウェブサイトにて、当コラムのバックナンバーもお読みいただけます。
UJEEC Website: www.ujeec.org

過去の一覧

Share.