“Tooth Fairy”
歯の妖精
米国でも、子どもたちが枕の下に抜けた乳歯を置いて寝るという伝統があります。そうするとTooth Fairy(歯の妖精)が寝ている間に抜けた乳歯を持って行く代わりにコインを置いてくれるという言い伝えがあります。乳歯は20本あるので、20枚のコインがもらえます。子どもたちにとってこれが大きな記念になるのです。
私は11才の娘と10才の息子にTooth Fairyの存在を信じてほしく、いろんな演出をしました。妖精の名を“Tina”と名付け、コインとTinaからのメッセージも添え、妖精の羽から落ちたようにキラキラのラメを枕元、出入りしたらしい窓枠に散らしたりしました。
彼らが大きくなるに連れ、“歯の妖精”などいないと気づいたクラスメートたちと時々、いる、いないでもめることがあるそう。それでも、Tinaの存在を信じている子どもたちは、「マミー、歯の妖精はいるんだよね?」と私に確認します。
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皆さん、日本財団の「Tooth Fairy」というプロジェクトをご存知でしょうか? このプロジェクトは日本歯科医師会が協賛し、歯の治療で除去した金属や、不要な入れ歯の金属をリサイクルした資金で、厳しい環境にあるミャンマーの学校建設や、日本の小児がん患者、難病の子どもたちを支援しています。多くの歯科医院がこのプロジェクトに参加し、また個人からも不要な貴金属、入れ歯の寄付も受け付けています。(詳細:tooth-fairy.jp/)
私はこのプロジェクトを知った時、“Tooth Fairy”は本当にいるとうれしくなりました。子どもたちがこの歯の妖精からのたくさんの希望、夢を得ることを願ってやみません。
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今回の大震災で被災された多くの方たち、大切な方を失った方たち、そして今もなお、過酷な現状におられる皆さまに心からお見舞いを申し上げます。そして、亡くなられた方々のご冥福を切にお祈り致します。
歯の妖精がたくさんの子どもたちの希望をつなげていけますよう。日本の皆さま、がんばってください。これからも応援し続けます。
(次回は5月14日掲載)(「WEEKLYBiz」2011年4月9日掲載)
〈プロフィル〉Dr. Clara Lee ニューヨーク大学歯学部卒業。ニューヨーク大学ブルックデール病院でチーフレジデンス修了。13年以上に及ぶ臨床経験は一般歯科、コスメティック、インプラントを含む。インビザライン認定医。Waterside Dental Care院長として古山医師と共に、多くの日本人患者さんを治療。Dentistryをこよなく愛している。記事提供:Waterside dental Care(Tel:212-683-6260)