日本の生活習慣の体得に重要なこと
日本語であいさつの励行で日本的な言動できるように
米日教育交流協議会主催の日本の里山での日本語・日本文化体験学習プログラム「サマーキャンプ in ぎふ」では、海外生活では触れることの難しい多種多様な日本語と日本の生活に密着した文化を多彩なプログラムを通じて体験することができます。6年目を迎えた今年は、原発事故により海外からの旅行者が激減しているという厳しい状況下ではありますが、無事開催することができました。とは言いましても、参加者数は例年の6割程度にとどまり、予定していた2期間のうち、1期間のみの実施となりました。
当プログラムの第1期は、日本の学校の夏休み前になので、開催地の地元の県立高校、町立中学校・小学校での学校体験を組んでいます。これらの学校を訪問して常に感じることは、生徒・児童がすばらしいあいさつをすることです。廊下や校庭などで出会うたびに、「おはようございます」「こんにちは」という大きな声が聞こえてくるのは気持ちがよいものです。
これに倣って、当キャンプにて力を入れて指導しているのがあいさつの励行です。キャンプのスタート時点では、「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」「さようなら」「おやすみなさい」、そして食事の前後の「いただきます」と「ごちそうさま」、また「ありがとう」「ごめんなさい」など、日本の家庭では日常茶飯事に使用されているあいさつもほとんど言えない(言わない)子どもが多いのですが、2?3日もすると、ほとんどの子どもがきちんと言えるようになります。
このようにきちんとしたあいさつができるようになると、生活態度もしっかりしてきます。そして、日本の生活風習に見合った行動ができるようになります。たとえば、お茶碗を持って食べることが自然にできるようになりますし、食事中に足を組んだり、食後に寝転がることもなくなってきます。そして、仲間とのチームワークもとてもよくなり、力を合わせて食器の後片付けをしたり、部屋の掃除をしたりすることができるようにもなります。
参加者を受け入れてくださる学校の先生方やホストファミリー、宿泊施設の皆さんから、「ほとんど日本の子どもと変わりませんね」とか「日本の子ども以上に礼儀正しいですね」などとおっしゃっていただけることを喜ばしく思い、当キャンプの指導方針が正しいことを実感します。そして、当キャンプ参加者が、日本の社会でも通用する大人に育つことを願っています。 (次回は8月27日号掲載)(「WEEKLY Biz」2011年7月23日号掲載)
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