〈コラム〉「理香先生の歯のアドバイス」第1回

0

他人に話せない口臭の悩み

徹底的な歯磨きと歯科医院でクリーニングを

歯科医院を訪れるのには様々な理由が考えられます。健康な歯を維持したい、魅力的な笑顔を得たい、虫歯や歯茎を治療したい、など多種多様です。中でも、とりわけ他人に話せない悩みの一つが口臭ではないでしょうか。
一口に口臭といっても原因はいくつもあります。一般的に知られているのが、臭いの強い食べ物、例えば玉ネギやニンニク、ネギなどを食べた後に残る臭いです。ニンニク入りの香辛料なども臭いが口に残ります。これらの口臭は一過性のもので、食後の歯磨きやマウスウオッシュを使えば簡単に消すことが可能です。多くの人がこのような食べ物による口臭を経験しています。
しかし、口臭には別の原因も考えられます。例えば、口腔の乾燥、鼻詰まり、さらに治療がされていない歯などによる問題です。虫歯や欠けた歯など治療の必要な歯、歯肉炎、歯周病、膿瘍などが原因の口臭は、膿みのような臭いに変わります。
口内の唾液の分泌量は重要で、寝ている間は唾液の分泌量が少ないため、朝起きた直後には口内乾燥のため口臭がひどくなりがちです。寝る前にアルコールを飲むと、口臭はさらに悪化します。
その他、医学的な理由で口臭を持つ人もいます。薬によって唾液の分泌量が低下して起こる口臭、花粉症や風邪による鼻水が原因で舌の表面の奥に細菌が溜まり、口臭の原因になることもあります。
糖尿の疑いがある場合は、アセトン(極性有機溶媒)のような独特の甘酸っぱい臭いを放つので、早期発見に繫がるかもしれません。
常に口腔内を清潔に保ち、さらに水分を補給することで、大抵の口臭は防げるでしょう。普段フロスを使う習慣のない人は、歯の間に溜まったに食べ物のカスや歯石などによって口臭がすることがあります。舌にも汚れが溜まりやすいので、歯磨きの時には舌の表面奥側を歯ブラシでそっとこすり、口臭の原因となる細菌やガスを発生させる嫌気性菌を取り除くといいでしょう。
一日2、3回の歯磨きと一日1回のフロスの使用、さらに舌の掃除を毎日続け、なおかつ定期的に歯医者で歯のクリーニングを行うことが望ましいといえます。また、口臭には個人差があるので、気になる方は歯医者や医師に相談してみるといいと思います。
Rika Furukawa〈プロフィル〉古川理香(ふるかわ りか) メリーランド大学ボルチモア校歯学部卒業。AGD、ADA、NYSDA会員。ニューヨークで歯科医として「Rika Furukawa, DDS, LLC.」開業。

過去一覧

Share.