〈コラム〉「理香先生の歯のアドバイス」第3回

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知覚過敏

歯がしみる時はどうしたらいい?

患者さんからよく知覚過敏について質問されます。人によっては、アイスクリームを食べたり、冷たい飲み物を飲んだ時、また歯磨きの時に冷水で口をゆすぐと歯がしみることがあります。逆に、熱いスープやコーヒーを摂取した時に刺激を感じる人もいれば、歯磨きやフロス、または食事の最中など何かが歯に触れたことによって過敏になることがあります。
健康な歯の歯茎の上の部分は、とても硬いエナメル質で覆われていて、歯と歯茎の境目から下の部分はセメント質と呼ばれます。両方とも、象牙質を守る役目をしています。象牙質は、びっしり締まった細かい管の網状組織のようなもので、顕微鏡でなければ見ることはできませんが、エナメル質ほども密集していません。エナメル質とセメント質が削られ象牙質がむき出しになると、外からの刺激が象牙細管を通して歯の組織と歯髄まで伝わり、しみたり痛みを感じます。
知覚過敏になる原因は虫歯だけでなく、歯のひび割れ、古いフィリングが壊れていたり隙間がある、または歯茎の衰退による歯頚部の露出、歯茎の病気、エナメルが薄くなっている、歯軋りなどさまざまです。
よく行われる治療は、処方箋のジェルや薬局で手に入る知覚過敏用の歯磨き粉で、歯の表面から神経まで刺激を受けないよう遮断します。効果が出るまでに2、3週間程掛かりますが、症状の軽い人にはよく効きます。
歯が欠けたり、虫歯や歯軋りなどによってエナメル質が削れてしまったり、楔上欠損やエナメル質上にひびがある人は、フィリングや接着、または被せ物で直すことが可能です。
歯周病による歯茎の衰退は、歯茎の移植手術によって露出した歯根を覆うことで刺激を防ぎます。歯磨きの時に、頻繁に歯を強く磨いたり、硬い歯ブラシを使うことで歯茎が下がって歯根を傷つけてしまいます。このような場合は、歯科材料で接着し、歯をカバーすることで解消します。
もし仮に、ひび割れや虫歯が神経にまで達し、しかも状態が長引いて一般の治療で直すことが不可能な場合は、神経治療が望ましいでしょう。
知覚過敏は治療しやすく、しかも予防が可能です。症状が軽いうちは歯の治療も早く簡単に済みので、歯軋りや歯を食い縛るなどの癖がある時も早めに歯科医に相談しましょう。そして、年に2回の定期検査と歯のクリーニングを受けましょう。歯の刺激が長続きする時は我慢せず、すぐに見てもらうことが大切です。
Rika Furukawa〈プロフィル〉古川理香(ふるかわ りか) メリーランド大学ボルチモア校歯学部卒業。AGD、ADA、NYSDA会員。ニューヨークで歯科医として「Rika Furukawa, DDS, LLC.」開業。

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