〈コラム〉「理香先生の歯のアドバイス」第10回

0

歯科医院での伝染病対策について

歯科医が手袋などの保護をしているか

伝染病対策は、歯科医がスタッフと患者さんをオフィス内の伝染病から守るための予防策です。歯科医院では、血液や唾液に直接触れることが多いため、伝染病を広めない為に厳しい基準が設けられています。では、どのようにして伝染病を防ぐのでしょうか?
1980年代後半から、歯科医はレーテックスの手袋、マスク、保護眼鏡、そしてガウンを着ることが一般的になりました。これらは、普遍的予防策としてバリアーテクニックと呼ばれ、アメリカ疫病管理予防センターと、アメリカ歯科医師会によって実施されました。今日、このバリアーテクニックのほか、医療器具の殺菌が義務付けられていて、歯科医、アシスタント、歯科衛生士はB型肝炎の予防接種をするなど、患者へ感染させない為の対策が必要になっています。
医療器具の洗浄は、微生物や病原菌全てを殺菌し、加熱殺菌出来ない物は使い捨てにします。また医療器具は、病院で使われている物と同じく高圧蒸気減菌器(オートクレーブ)、乾熱減菌、薬液過熱減菌器などにいれて殺菌します。
大抵の医療器具は、フィルムやオートクレーブ専用の紙袋に入れて、一定時間加熱します。高熱には対応出来ない器具や、機械の装置に入らない大型の物は消毒します。レントゲンやライトのハンドルのカバーなども使われていて、いすのカバーは患者ごとにその都度取り替えることもあります。
また、針など尖った物や、外科用メスなどで殺菌出来ない物は、穴あき防止の特別な袋に入れて処分します。血液で汚れたものは感染性廃棄物処理業者に委託して処分してもらいます。
では、次回歯科医院に行った時に次の様なことに気をつけてみてはいかがでしょうか?
部屋がきちんと片付いているか、歯科医が治療前に手洗いをして手袋などの保護をしているか、部屋を出るときに手袋を外して、部屋に戻ってきたら新しいものに取り替えているかなど、といった具合です。また、歯科医に患者の安全を守るためにどんな事を行っているか、尋ねてみてもいいと思います。
Rika Furukawa〈プロフィル〉古川理香(ふるかわ りか) メリーランド大学ボルチモア校歯学部卒業。AGD、ADA、NYSDA会員。ニューヨークで歯科医として「Rika Furukawa, DDS, LLC.」開業。

過去一覧

Share.