集夢計画95「平和の鐘の実現に向けて」

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アーティスト・林世宝「チリも積もれば芸術に」第100回

昨年12月、ブルックリンのThomas VanDyke Galleryでの個展風景。(左から)Thomas VanDyke GalleryのIvy、筆者、キュレーターのKiki

昨年12月、ブルックリンのThomas VanDyke Galleryでの個展風景。(左から)Thomas VanDyke GalleryのIvy、筆者、キュレーターのKiki

皆様、あけましておめでとうございます。

新年最初のコラムで「チリも積もれば芸術に」が100回を迎えました。2010年から執筆を始めこれまで続けられたのは、『ニューヨークビズ』と読者の皆様の応援の賜物です。本当にありがとうございます。そして本年も引き続き応援いただけますよう、よろしくお願いいたします。

現在取り組んでいる「人道芸術プロジェクト」は立ち上げからもうすぐ3年、ウクライナとロシアの戦争が始まった日から毎日描いている「一祈一絵」は1月9日で1050枚になりました。昨年は1~3月に日本と台湾、夏から12月まではニューヨークのギャラリーやカフェなど様々なところで展示会を開催し販売してきました。定価500ドルのところ、購入者は100ドル、残り400ドルはクリスタルファウンデーションから寄付されるシステムを続けられたおかげで、これまで400枚余りが売れ、最初の目標であったゴミ収集車(5万ドル)を10月にウクライナに贈ることができました。

次の目標は、「平和の鐘」を中心に市民が集えるアート公園の建設。1年前にウクライナを訪問した時のメンバーと先月ズームミーティングがあり、ウクライナの現状は以前よりひどくなっていると聞き、新年を前に複雑な気持ちになりました。いつ飛んでくるか分からないミサイルに怯えながら、空襲警報のサイレンが鳴る度にシェルターに移動する生活を続ける現地の人々を思い出すと心が痛みます。一日も早く戦争が終わり、ウクライナに平和が戻るまで一緒に頑張ることをメンバー全員で誓い合いました。人類にとって最高の価値は愛と平和。戦争が終わったウクライナで制作する平和の鐘とアート公園建設の実現に向けて、今年もネバーギブアップでアート展開していきますので、見かけたら是非ご参加ください!

(次回は3月15日号掲載)

林世宝

〈プロフィル〉リン・セイホウ 1962年台湾生まれ。日本に留学中に日展、日仏現代美術展に出展し数々の賞を受賞。その後、渡米し、96年NY大学大学院修士課程を修了。NY現代美術展メディア賞、アジア傑出アーティスト賞などを受賞。世界中から素材を集める、ハート集結シリーズの代表作には「智恵の門(愛知万博)」、「ラブツリー(20万のおしゃぶり)」がある。NY在住。【フェイスブック

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