集夢計画96「一祈一絵を持って中東へ」

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アーティスト・林世宝「チリも積もれば芸術に」第101回

左2番目から張水田氏、Thomas Chen氏、黄麗玲女史、筆者、裘振宇氏、両端はヨルダンのガラス製品会社の社員たち

左2番目から張水田氏、Thomas Chen氏、黄麗玲女史、筆者、裘振宇氏、両端はヨルダンのガラス製品会社の社員たち

今回は中東を旅しながらのコラムです。2月21日にニューヨークを出発し、トルコ、ヨルダン、イスラエル、エジプト、そして再びトルコへ。旅のきっかけは、トルコで難民を受け入れる施設を建設、運営している友人Chen Yu Chiu(裘振宇)氏からの誘いでした。終わりの見えない戦闘が繰り広げられる中東の国々では、何百万もの人が戦争から逃れるために隣国に移動し、難民として生活しています。建築の博士号を持つ彼は、シリア難民のためにTaiwan-Reyhanli Centre For World Citizensを創立、市と協力し2500人が生活できる施設を2020年に建設。現在二つ目の建設が進んでいます。

ヨルダン在住の黄麗玲女史は、ヨルダン人の夫とガラス製品会社を経営する傍ら、教育博士の知識でHuang’s / Trade and Technology Corporationを立ち上げ、難民の子供たちへの教育、特にインターネット教育に力を注いでいます。また一緒に旅しているShui Tien Chang(張水田)氏は、Low Carbon Healthy & Life FoundationのCEOとしてChiu氏の建設事業に携わり、STUF(Share, Trust, Unity, and Family)United Fundの代表でもあるThomas Chen氏は、アフリカで飲める水プロジェクトやウクライナに救急車や生活用品を送るなど世界中で困っている人たちをサポートする取り組みをしています。世界で活躍する郷友を訪ねながら、慈善事業成功までの道のりを見聞き、勉強しているところです。

2月24日、ヨルダン滞在中にウクライナとロシアの戦争は3年目に突入。日課として描き続けている「一祈一絵」の作品は毎月24日に描く「平和の鐘」の絵数枚を合わせると1200点を超えました。ミサイルの破片で作る鉄の「平和の鐘」と合わせて、澄んだ音が出る銅の鐘を作ろうと考え、1月の台湾滞在中に話をし、今年中の完成を目指します。必ず近い日に終戦が迎えられることを祈り、郷友からの学びと協力を得ながら、ウクライナに平和公園を作る計画を着々と進めていますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします。

(次回は5月17日号掲載)

林世宝

〈プロフィル〉リン・セイホウ 1962年台湾生まれ。日本に留学中に日展、日仏現代美術展に出展し数々の賞を受賞。その後、渡米し、96年NY大学大学院修士課程を修了。NY現代美術展メディア賞、アジア傑出アーティスト賞などを受賞。世界中から素材を集める、ハート集結シリーズの代表作には「智恵の門(愛知万博)」、「ラブツリー(20万のおしゃぶり)」がある。NY在住。【フェイスブック

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