集夢計画97「人道芸術:After War, Before Peace」

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アーティスト・林世宝「チリも積もれば芸術に」第102回

「After War, Before Peace」の一コマとPei Hua Yang(楊佩樺)展示場所:TAAC(Taiwanese American Arts Council)House17, Nolan Park, Governors Island

「After War, Before Peace」の一コマとPei Hua Yang(楊佩樺)展示場所:TAAC(Taiwanese American Arts Council)House17, Nolan Park, Governors Island

ウクライナとロシアの戦争が始まった2022年2月24日から描き始めた「一祈一絵」の小作品。毎月24日に数枚描く「平和の鐘」の絵を合わせると1200枚を超えました。戦争が終わった暁には、ウクライナのマルハネツィ市に「平和の鐘」を現地で作ることを23年の訪問時に市長と約束。その鐘を中心に市民が集い、ゆっくりと語り合えるパブリックスペースの建設を目指し、「一祈一絵」の作品を売りながら資金を集める人道芸術活動を展開中。22年から今年にかけ、ヨーロッパ、アジア、中東の十数カ国を旅し、支援者に直接会って活動を広めてきました。ニューヨークではアート・エキスポ・ニューヨークやギャラリーだけでなく、教会やレストラン、カフェなどでも作品を展示しています。

そうした活動の中で、若いアーティストPei Hua Yang(楊佩樺)と出会いました。彼女は、私が続けているウクライナ支援活動にとても感動して、自分もできることで参加したいと申し出てくれました。台北芸術大学のアニメーションプログラムを卒業後、ジョージア州にあるサバンナ・カレッジ・オブ・アート&デザインで修士号を取得、HermèsやVogue Taiwanの仕事もこなす優秀なアーティスト。現在カリフォルニアで活動する彼女とオンラインミーティングを重ね作り上げた作品が「After War, Before Peace」です。祈り、愛の拡散、復興をテーマに制作した映像の周りに「一祈一絵」のインスタレーションを設置したコラボ作品を5月17日からガバナーズアイランドで展示します。今回は短編ですが、制作資金が集まれば長編映像も作りたいと意欲を示してくれています。人道芸術は、人と人との助け合い。20代と60代、世代を超えたコラボアートで平和を訴えます。

これから新緑の美しい季節、フェリーに乗って作品鑑賞に是非お越しください。

(次回は7月19日号掲載)

林世宝

〈プロフィル〉リン・セイホウ 1962年台湾生まれ。日本に留学中に日展、日仏現代美術展に出展し数々の賞を受賞。その後、渡米し、96年NY大学大学院修士課程を修了。NY現代美術展メディア賞、アジア傑出アーティスト賞などを受賞。世界中から素材を集める、ハート集結シリーズの代表作には「智恵の門(愛知万博)」、「ラブツリー(20万のおしゃぶり)」がある。NY在住。【フェイスブック

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