アーティスト・林世宝「チリも積もれば芸術に」第55回
シャイニングさんのペニーパーティーで集まったペニー
今年のワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）の仕事を終えたジョージと共に「希望のツリー」プロジェクトを再始動しています。東京オリンピックでの野球復活を祝い、世界の平和と希望を発信するツリーを、選手たちのパワーが詰まったボールで作る企画です。
米国の拠点はＮＰＯのNew Inspiration Care、ヤンキースやメッツにも応援を願うべく、市会議員のPeter Koo氏協力のもとミーティングを重ねています。５月には、20年前に制作した100万枚のペニー像「平和行進曲」のボランティアでペニーパーティーの発起人でもあったシャイニングさんが、本企画最初のパーティーを開いてくれました。「１ペニー、１ホープ」「１個のボール、１つの愛」をキャッチフレーズに呼びかけ、わずか５時間で１万枚以上のペニーが集まりました。目標は2000万枚、20万ドルで、ツリーの制作運営資金となります。ジョージが資金の一部にと提供してくれたのは、12年前に王貞治元監督からサインをもらった３本のバットで、日本、台湾、米国でオークションの予定です。
日本では、名古屋のボランティアが中日ドラゴンズのオフィスに出向き説明。協力を快諾され、選手のサインボールを提供してくれると共に、他球団にも協力を呼びかけてくれるとのこと、嬉しい限りです。また、全国に700もの支部を持つ中学生のボーイズリーグはボール集めを中心に参加してくれます。７月に台湾で開催される少年のベースボール・ワールドカップ（Ｕ―12 ＷＢＳＣ）に米国チームの監督として参加するジョージは、参加国チームのサインボールを集めてくると張り切っています。
順調な滑り出しですが、やはり難関は資金集め。応援のペニーパーティーを開いてくださる方の元には、どこにでも足を運びますので、皆様ご協力の程よろしくお願いいたします。
（次回は９月９日号掲載）
〈プロフィル〉リン・セイホウ 1962年台湾生まれ。日本に留学中に日展、日仏現代美術展に出展し数々の賞を受賞。その後、渡米し、96年ＮＹ大学大学院修士課程を修了。ＮＹ現代美術展メディア賞、アジア傑出アーティスト賞などを受賞。世界中から素材を集める、ハート集結シリーズの代表作には「智恵の門（愛知万博）」、「ラブツリー（20万のおしゃぶり）」がある。ＮＹ在住。【フェイスブック】
