アーティスト・林世宝「チリも積もれば芸術に」第89回
今年も桜咲く春が巡ってきました。春夏秋冬、春に耕し種をまき、夏にはケアし、秋に収穫、冬は休んで養分を蓄える。人生も同じように、夢を持って一生懸命働けば花が咲く。無理矢理は禁物、自然の流れのようにと心がけ生きてきたアート人生も40年。アーティストとして、生まれてから死ぬまで、すべて大事に使いたいから、私の人生はずっと黄金時代。「人事時地物」。人間関係、出来事、時間、場所、物、この五つの要素を持ったストーリーが繰り返される日々は未完成の完成。階段を上るように、年齢と共に1段ずつ上っていく、未完成の完成の積み重ね。いろいろあるけれど最後は円満でありたい。「黄金時代:ゴールデンエイジ」の作品は、人生の一断片をパズルのようにくっつけたもの、作品中の円は円満を表し、最終ゴールである円満解決への願いであり、祈りでもあります。
3月30日から4日間開催されるアート・エキスポ・ニューヨークに今年も参加します。タイトルは昨年に続き「ゴールデンエイジ」。初めての出展で主催者からエクセレント賞を頂戴するほど好評だったのを受け、クリスタルファウンデーション(Crystal Foundation)からの再要請での2回目となります。この1年で新たに制作した絵画の他、メトロカードの十二支の数体も連れていく予定です。また、ロシアとウクライナの戦争終結を祈る「平和計画:人道芸術」が進行中で、戦争が始まって以来、日記のように描きためた「一祈一絵」の小作品が300枚を超えました。これも会場で販売し、4日間の全売り上げの60%を戦争の人道支援に寄付したいと考えています。
コロナの規制が解除され、行動の自由が戻っています。愛と平和、夢と希望をテーマにしたアートをぜひ生で味わっていただきたい。会場でお会いできるのを楽しみにしています。
(次回は5月20日号掲載)
■情報
アートエキスポ・ニューヨーク(ArtExpo New York 2023)
【会期】3月30日~4月2日
【筆者作品など】「Golden Age」S.P. ART(Booth 209)
【場所】Pier 36:299 South St. NYC
〈プロフィル〉リン・セイホウ 1962年台湾生まれ。日本に留学中に日展、日仏現代美術展に出展し数々の賞を受賞。その後、渡米し、96年NY大学大学院修士課程を修了。NY現代美術展メディア賞、アジア傑出アーティスト賞などを受賞。世界中から素材を集める、ハート集結シリーズの代表作には「智恵の門(愛知万博)」、「ラブツリー(20万のおしゃぶり)」がある。NY在住。【フェイスブック】