アーティスト・林世宝「チリも積もれば芸術に」第90回
「一祈一絵」は、ロシアとウクライナの戦争が始まって以来、1日も早い戦争終結を祈り、描き続けている小作品で、先月参加したアート・エキスポ・ニューヨークの「ゴールデンエイジ」会場で初展示。定価は500ドルですが、クリスタルファウンデーション(Crystal Foundation)から400ドルのサポートを受け、購入者は100ドルで作品が手に入る期間限定販売。「一祈一絵」のキュレーターXinya Li(李 馨雅)はじめ、若いスタッフたちによる会場でのプロモーションや、SNSでの広報の甲斐あって売り上げは好調でした。
エキスポから1カ月後の5月10日、Xinyaからクリスタルファウンデーションからチェックが渡されると一報。代表のThomas Chen氏からスタッフへ激励の気持ちも込められ、実際のサポート以上の額を頂戴しました。これは人道芸術のために立ち上げたシールドアートファウンデーション(Shield Art Foundation)に入り、100%ウクライナのアーティスト支援活動に使用されます。エキスポでの「一祈一絵」作品が好評だったことを受け、同作品の販売には、今後もThomasが同様の支援継続を約束してくれたことで、スタッフ一同大喜び。
愛と平和の作品を作り続けて40年、「平和計画:人道芸術」はウクライナのアーティストを応援したい気持ちから生まれた企画。国境を超えた人間と人間の助け合いの精神、心のつながりを具現化する行動アートです。
ガバナーズアイランドでは、TAAC(Taiwanese American Arts Council)企画の「From Island to Island Ⅰ&Ⅱ exhibitions」が始まっており、私は6月~7月に現地参加し、「一祈一絵」の制作、展示販売を行います。この他、ダウンタウンにあるウクライナの教会やレストランでのイベント、音楽家による野外コンサートなども考えています。これから夏にかけてさまざまな所に出かけていきますので、皆様もこの企画につながっていただけると嬉しいです。
(次回は7月15日号掲載)
〈プロフィル〉リン・セイホウ 1962年台湾生まれ。日本に留学中に日展、日仏現代美術展に出展し数々の賞を受賞。その後、渡米し、96年NY大学大学院修士課程を修了。NY現代美術展メディア賞、アジア傑出アーティスト賞などを受賞。世界中から素材を集める、ハート集結シリーズの代表作には「智恵の門(愛知万博)」、「ラブツリー(20万のおしゃぶり)」がある。NY在住。【フェイスブック】