集夢計画87「一祈一絵Ⅲ:From Island to Island」

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アーティスト・林世宝「チリも積もれば芸術に」第92回

(右から)Luchia Meihua Lee(Executive Director and Chief Curator, TAAC)、筆者、Dr. Kenneth Howell(Senior Editor, TAAC)、作品のサイズ150×165センチ【写真提供】Wei-Ta Chen(陳韋達)

(右から)Luchia Meihua Lee(Executive Director and Chief Curator, TAAC)、筆者、Dr. Kenneth Howell(Senior Editor, TAAC)、作品のサイズ150×165センチ【写真提供】Wei-Ta Chen(陳韋達)

ウクライナとロシアの戦争が始まって9月6日で560日。開戦当初、大きく取り上げられていた報道は日が経つにつれ減少し、人々の間では対岸の火事として時々思い出す程度。というのも、世界中で発生し続ける山火事や水害のあまりにも甚大な被害に目を奪われているからかもしれません。

しかし私は、戦争が終わるまで「一祈一絵」を続けると誓ったので、毎日描き続けています。ウクライナの空と大地を表す青と黄色で配色した13×1センチの画用紙に、細いペンで愛と平和を表現した絵も560枚となりました。小さな絵ですが、定価500ドル、全部売れると28万ドル。購入者が100ドル払えば、クリスタルファウンデーションが400ドルをサポートし、400ドルは全てウクライナ支援活動に使う方針も続行。クリスタルファウンデーション代表のThomas Chen氏に「一祈一絵のプロジェクトを途中でやめないで」と言われるお返しに「サポートを途中でやめないで」と互いに継続を激励し合っています。

写真は、ガバナーズアイランドで開催中のTAAC(Taiwanese American Arts Council)主催の「From Island to Island」に6、7月の2カ月参加し、そこで描きためた60枚の「一祈一絵」を一つにしたもの。額は戦争後の傷跡の壁、立体的な矢印はウクライナの花ヒマワリが、太陽の光を受け大地に美しく咲くように、戦後必ず立ち上がることをイメージし、鉄のつなぎ目はみんなで力を合わせる強い絆を表現しました。小さな作品でも60枚合わせれば大きな作品になるように、1人の力は小さくても仲間や友達が広がっていけば大きな力が得られるはことを期待して活動を続けています。目下、自家発電機を送ることを目標にイベントを企画中。ガバナーズアイランドの展示は10月いっぱいなので、ぜひフェリーに乗って鑑賞にお越しください。プロジェクトへの参加協力も引き続きよろしくお願いします。

「From Island to Island」の作品紹介動画:https://fb.watch/mVAU9CgK7T/

(次回は11月18日号掲載)
林世宝

〈プロフィル〉リン・セイホウ 1962年台湾生まれ。日本に留学中に日展、日仏現代美術展に出展し数々の賞を受賞。その後、渡米し、96年NY大学大学院修士課程を修了。NY現代美術展メディア賞、アジア傑出アーティスト賞などを受賞。世界中から素材を集める、ハート集結シリーズの代表作には「智恵の門(愛知万博)」、「ラブツリー(20万のおしゃぶり)」がある。NY在住。【フェイスブック

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