集夢計画90「人道芸術プロジェクト:平和の旅」

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アーティスト・林世宝「チリも積もれば芸術に」第95回

圓山飯店でお手伝いしてくれたボランティアの皆さん。筆者(前列左から5人目)の左横がスイスの会長・謝瑾さん

圓山飯店でお手伝いしてくれたボランティアの皆さん。筆者(前列左から5人目)の左横がスイスの会長・謝瑾さん

ウクライナ支援の「一祈一絵」の絵を持って旅を続けています。12月はニューヨークを出て、ハワイ、スイスのチューリッヒ、ポーランド、ウクライナを旅し、2月は台湾、3月5日に日本入り。6日から名古屋と長野のギャラリーで展示会を開催します。

台湾では、一緒にウクライナに行ったスイスのNGO団体の会長が5つ星ホテル圓山飯店でウクライナ支援の会を開催。今一番必要とされているゴミ収集車の購入資金と、ミサイルの破片で作る「平和の鐘」のために用意した80点の「一祈一絵」は、2日間で見事完売。常時ウクライナと連絡を取り合っている会長は、市長が贈呈された「平和の鐘」の絵を壁画にしたいけれど、今はできないので、大きく引き伸ばして市庁舎の壁にペイントするため、現地のアーティストを探していること、軍司令部が6~8トンのミサイルの破片を集める約束をしてくれたことを話してくれました。そして皆が一日も早く終戦して、「平和の鐘」制作が実現することを望んでいるとも。

2月24日でウクライナとロシアの戦争は3年目に突入。ウクライナで体験した戦場の恐怖、その地で暮らす人々の苦悩を見聞きし、アートを通して平和を訴える人道芸術プロジェクトを多くの人に広げ、戦争が終わるまで続けていくことを改めて決意しました。

名古屋滞在は2005年の愛知万博ぶりですが、留学時代に8年暮らした懐かしの第2の故郷。当時からの友人たちが温かく迎えてくれています。1月に開催した個展では、売り上げをすべて能登半島地震に寄付することで募金箱を設置。最終日に開けると作品40点の売り上げ以上の54万2400円が入っており、皆の気持ちを合わせて全額寄付したと報告を受けました。さあ、これから2週間、名古屋と長野での展開を乞うご期待!

(次回は5月18日号掲載)

林世宝

〈プロフィル〉リン・セイホウ 1962年台湾生まれ。日本に留学中に日展、日仏現代美術展に出展し数々の賞を受賞。その後、渡米し、96年NY大学大学院修士課程を修了。NY現代美術展メディア賞、アジア傑出アーティスト賞などを受賞。世界中から素材を集める、ハート集結シリーズの代表作には「智恵の門(愛知万博)」、「ラブツリー(20万のおしゃぶり)」がある。NY在住。【フェイスブック

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