アーティスト・林世宝「チリも積もれば芸術に」第96回
昨年12月から今年3月にかけてヨーロッパ、ウクライナ、台湾、日本を巡回する平和の旅から戻り、ニューヨークで次の企画を思案中です。
ウクライナ支援の「一祈一絵」の作品は、台湾と日本でそれぞれ100点以上が売れ、ウクライナに送るゴミ収集車1台分(中古車で6万5000ドル)の購入資金目標は達成。これが達成できたのは、定価500ドルの「一祈一絵」を100ドルで購入してもらうと、クリスタル・ファウンデーションから400ドルが寄付されるシステムが続いているおかげでもあり、代表のThomas Chen氏に旅の成果の報告をしました。Chen氏は大変喜んでくれて、終戦まで一緒に頑張りましょうとお互いを再激励。そして、近々米国国会議員のChuck Schumer氏と会うので、自分も1点購入したいと言ってくれました。Schumer氏は米国議会のウクライナ支援の代表でもあり、彼に直接私の活動を伝えられるのは、人道芸術プロジェクトの今後にとって意義深いものとなるはずです。
今年から、Shield Art Foundationの2代目キュレーターになったWei Hsuan Chen(Kiki)は、台湾の大学を卒業し、Sotheby’s Institute of Artでアートビジネス修士号を取得。若く新しい考え方、智恵を使ってプロジェクトを手伝ってくれています。彼女と一緒に進めているのは、10月に300人規模のウクライナ支援の募金パーティーをマンハッタンで開催するというもの。2台目のゴミ取集車とミサイルの破片で作る「平和の鐘」の制作費の資金集めを目標に掲げ、戦争と平和、人道支援、国境を越えて人間同士で支え合うにはどうすればよいかなどを語り合う一夜。私流の行動アートを展開したいと考えています。
6月中旬にはイーストビレッジにオープンするカフェで一日美術館も開催予定。夏から秋にかけて、「一祈一絵」の絵を持って、愛と平和を拡散して回りたいと思っていますので、場所を提供してくださる方があればshihpao62@gmail.comまでご一報ください。
(次回は7月20日号掲載)
〈プロフィル〉リン・セイホウ 1962年台湾生まれ。日本に留学中に日展、日仏現代美術展に出展し数々の賞を受賞。その後、渡米し、96年NY大学大学院修士課程を修了。NY現代美術展メディア賞、アジア傑出アーティスト賞などを受賞。世界中から素材を集める、ハート集結シリーズの代表作には「智恵の門(愛知万博)」、「ラブツリー(20万のおしゃぶり)」がある。NY在住。【フェイスブック】