〈コラム〉米国国土安全保障省による新規H─1Bビザ抽選プロセスの変更について

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米国国土安全保障省(The Department of Homeland Security:通称DHS)は、2021年1月8日、新規H─1Bビザ抽選の当選者を無作為に抽選する代わりとして、新規H─1Bビザ枠に対し、米国労働省(Department of Labor:通称DOL)による職業雇用統計(Occupational Employment Statistics:通称OES)が定める一般賃金(Prevailing Wage)に基づき、四つの特定の地域における特定の職業賃金レベルのうち、高いレベルから順に正式に選択する規制改正及び新規ルールを公開致しました。尚、通常(学士号)枠とマスター(修士号)枠の発給枠対象の抽選順については、これまで同様で、当ルールによる変更はないとされています。

この当規制は、2021年1月8日から60日後に有効となり、2022年度の新規H─1Bビザ抽選より実施される見通しです。

尚、今回発表された移民局による新規抽選プロセスの旨は下記の通りです:

●実際に新規H─1Bビザをスポンサーする会社が、申請上、ビザ受益者に支払うと誓約するオファー賃金額について、そのオファー額(レベル設定と同額かそれ以上の額)が、職業雇用統計(OES)にて定められている一般賃金レベル(全4レベル)のどのレベルを基準としているかで優先順位が変わり、高いレベルから順に選択されることとなります。一般賃金レベルの優先順位としては、賃金率が最高レベルであるレベル4が第一優先され、その後、レベル3、レベル2、そしてレベル1の順で割り当てが行われます。
●一般の賃金統計が使用された賃金が職業雇用統計(OES)の賃金レベルよりも低い場合、職業雇用統計(OES)の賃金レベル1と同じカテゴリーとして見做します。
●複数の拠点を勤務地とする申請の場合、それぞれの勤務地域に対して会社が支払うと誓約したオファーの賃金額に対し、最も低いレベル設定の地域の職業雇用統計(OES)が考慮されます。
●特定のオファーポジションに対して、職業雇用統計(OES)がない場合、当ポジションの要件に値すると考えられる一般賃金レベルを考慮致します。
●その優先順位の高い順からの選択段階で、特定の賃金レベルにおいて、実数が年間発給制限を超えた場合は、コンピュータによる無作為の抽選が実施されます。

なお、今回の新しい方針を受け、米国国土安全保障省(DHS)は、職業雇用統計(OES)による一般賃金と新規ポジションに伴う情報を、新規H─1B申請オンライン事前登録の際に利用されるフォームに追加する方針を示しています。

以上、新しい方針についてですが、この先、当ルールは、連邦裁判所にて対抗されるか、バイデン政権により保留状態に置かれるか、もしくは支障なく有効となる、など先行きはっきりしません。内容や解釈が変わる可能性もありますので、上記はあくまでも現状として捉えてください。

SW Law Groupでは、これらの変更、及び米国移民局(USCIS)の様々な実施と審査裁定の傾向を引き続き監視し、できる限り最新の情報を随時お客様にお知らせしていけたらと考えております。

(次回は3月第2週号掲載)

※本記事は1月時点に発表された内容で、この記事が皆様に読まれている頃には異なる状況となっている可能性もございますこと、ご了承ください。

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