〈コラム〉タイチ不動産「不動産と住まい事情あれこれ」第91回
持ち家か賃貸かにかかわらず洪水保険が必要な場合があります。
日本では台風による広範囲な被害が報道されていますが、ニューヨークも8月に入りハリケーンシーズンが宣言されています。2012年10月にハリケーン「サンディ」が直撃した際、ニューヨークは沿岸部の洪水高潮により甚大な被害を受けました。ニューヨーク市では100万人が停電被害を受け、ニューヨーク証券取引所は10月29日と30日の2日間休場に追い込まれました。またニューヨーク州とニュージャージー州でも安全のため原子力発電所が稼働停止し、11月4日に開催予定だったニューヨークシティー・マラソンは災害からの復旧を最優先としたことから中止が決定されました。被害総額は190億ドルに上りました。
米連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency:FEMA)は洪水、ハリケーン、地震および原子力災害等の大規模災害に対応する連邦機関ですが、傘下で全米洪水保険制度(National Flood Insurance Program:NFIP)を運営しています。洪水被害が発生した際には連邦政府の保証の下、被害者へ保険金を支払うというものです。保険契約件数は全米で440万件で、フロリダ、テキサス、ルイジアナなどメキシコ湾岸のハリケーン襲来地帯に契約者がやはり多いです。
現在、この洪水保険料は年間約500ドル程度ですが、もし通常の保険会社に加入するとプレミアムは年間4200ドルと推定されます。住宅購入者がモーゲージを得るために住宅保険を購入する必要があります。これは銀行や金融機関が火災やその他の被害から彼らの投資を守るためです。しかし住宅保険は洪水のダメージをカバーすることはできません。したがってハイリスクな洪水地域にある不動産の住宅購入者は洪水保険を購入する必要があります。
賃貸でも洪水保険が必要か
洪水保険は住宅所有者や企業のためだけではありません。賃貸物件でもハイリスクの洪水ゾーンに住んでいる場合、NFIPから10万ドルまでカバーするポリシーを購入することができます。NFIPのポリシーとRenter保険の違いはNFIPのポリシーが洪水時の私的財産の損害をカバーする点です。
(タイチ不動産 茂古沼孝)
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