〈コラム〉タイチ不動産「不動産と住まい事情あれこれ」第97回

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ニューヨークは安全な街ですか

全米大都市30の中で犯罪発生率は最低

私は1970年代後半からニューヨークに住んでいますが、その頃のニューヨークの街がどれほど汚れて危険だったかをよく覚えています。それにもまして数々の魅力があるのがこの街に住み続けている理由ですが。皆さんも私と同じようにニューヨークをよく知らない友人や同僚からニューヨークは安全な街なのかと質問されていることでしょう。

他の大都市と同じように、ニューヨークにはいまだに危険なエリアがあります。私は一人で人通りがない道は歩きませんし、空っぽの地下鉄車両には乗りません。ルールは簡単です。ばかげたことはしないことです。

もし友人たちのニューヨークのイメージが古い映画の『タクシードライバー』『セルピコ』『ニューヨーク1997』の時代に構築されたのであれば、彼らには根本からの文化的刷新が必要でしょう。

ニューヨークは人口約860万人で全米一の規模です。そしてニューヨークは今日、米国内の30の大都市の中で最も低い犯罪発生率を誇っています。シカゴ(270万人)、ヒューストン(230万人)、フィラデルフィア(160万人)、ボルチモア(61万人)は、いずれもニューヨークよりも殺人件数が多い都市です。ロサンゼルス(400万人)、ラスベガス(64万人)、フェニックス(160万人)、シャーロット(86万人)、インディアナポリス(86万人)、シアトル(72万人)、ボストン(68万人)で暴力犯罪を経験する可能性がニューヨークよりはるかに高いのです。(()内の人数はいずれも人口の概数)

きめ細かく街のどこが最も危険でどこが安全な場所なのかを知りたい場合はNYC Crime Mapにアクセスしてください。過去2年間の各NYPD地区の月ごとの犯罪率を示しています。またNYCの犯罪統計ページに移動して地域ごと、地区ごと、学校区ごとに、犯罪が何年にわたって減少しているかを確認することもできます。

最後にニューヨーク嫌いな頑固な友人を説得する数字をあげます。1970年代の『刑事コジャック』や80年代の『女刑事キャグニー&レイシー』や90年代の『NYPDブルー』などのテレビで大人気だった犯罪ドラマの定番の犯行現場だったLower East Sideが管轄のニューヨーク市警察第9分署の犯罪統計結果です。「Fighting 9th」と呼ばれニューヨーカーから賞賛された犯罪撲滅のプロ集団市警察第9分署。90年以来管轄内の犯罪発生率は現在は78%減少しました。1990年には管轄内に23件の殺人事件がありましたが、2018年にはゼロでした。

(タイチ不動産 茂古沼孝)
(次回は4月第3週号掲載)

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