タイチ不動産「不動産と住まい事情あれこれ」第98回
春から夏にかけてニューヨークの不動産業界は繁忙期を迎えます。転職や転勤、お子様の通学の便のための転居など弊社にいらっしゃるお客さまの理由はいろいろです。
この時期一番目立つのは親元を離れ大学入学を控えた学生たちや、卒業をして就職をする新社会人たちです。
彼らがアパートを借りる際に頭を悩ますのは大家が入居申請時にテナントに提出を求めるCredit Historyがないことです。大家の最大関心事はテナントが家賃を確実に払うか否かです。大家に家賃の支払いは確実だと信じさせることがテナントには必要となります。
(1)Guarantor
万が一、テナントが家賃を支払えないケースが生じた場合にそれを代弁する法的に拘束された保証人を賃貸契約に加えることができます。それにより収入がない学生や経済的信用をまだ得ていない新卒者の信用を肩代わりできます。ただテナント自身が提出を求められる種々のドキュメント(雇用証明やタックスリターンのコピー、銀行残高証明書などの個人情報)をGuarantorも同様に求められるのでよほど親しい親族や友人である必要があります。またテナントに求められる収入条件(年収が家賃の40〜50倍以上)の2倍の年収がGuarantorに必要になるのもネックの一つです。
(2)Insurent
だれもが悩む保証人問題を解決してくれる会社がInsurentです。万が一家賃未納が発生した際にこの会社が代弁するシステムです。付随してテナントが大家に提出する必要書類も減り、収入条件も通常の40倍から27.5倍と軽減することができます。ただ1カ月分家賃プラスアルファーの費用が発生してしまいます。
(3)Advance Payment
全てのアパートで可能というわけではないのですが、テナントにCredit Historyが無い前提で1年分の家賃を先払いするという方法もあります。これは市から税的優遇と引き換えにレントコントロール(家賃上昇率制限)を受けているビルでは行えない荒業です。
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ともあれ、ニューヨークでアパートを最初に借りるということは一大事業で事前に不動産エージェントとよく相談をして入念な準備が必要となります。ただ、お引越しも2度目3度目となるとCredit Historyも積み信用も増え随分楽になると実感できます。
なお弊社は100を超える管理物件をニューヨークエリアに保有しており、日本からのお客さまにはニューヨークの一般のアパート大家とは違い、日本でのクレジットも考慮させていただく独自のシステムで、お客さまに負担の少ない軽便な入居審査を行っております。
(タイチ不動産 茂古沼孝)
(次回は5月第3週号掲載)
〈記事提供〉タイチ不動産 228 E 45th St. Suite 1800, NYC TEL:212-983-7000 www.taichirealty.com 短期アパート