「ニューヨーク・ポスト」報道
ニューヨークの地元紙「ニューヨーク・ポスト」が11日、タクシー運転手の健康状態悪化・健康管理不行き届きによる事故の危険性を取り上げた記事を掲載した。記事によると、4月初旬にマンハッタンのユニバーシティ・プレイスでタクシーがカーブの走行に失敗し、歩行者にぶつかった事故を契機に、タクシー運転手の健康管理と事故の関係性について取材を実施したというもの。
同紙によれば、都市交通局(MTA)ではバスと列車の運転手全てに1年に一度の資格試験を実施しており、健康状態を証明する書類が古い場合には、仕事内容を制限される契約になっている。
一方で、タクシーやリムジンの運転手は、契約の最初に実施される試験にさえ合格すれば、再度試験を受ける必要もなく、健康状態や精神の健康状態を問われることがないという。
同紙は多くの運転手が「10〜30年の長期で運転の仕事だけに携わっていることが多く、運動不足、睡眠不足、栄養不足のせいで心臓発作などを発症しやすい状態にある」と記している。
取材に対し、タクシー・リムジン委員会(TLC:A Taxi and Limousine Commission)のスポークスマンは「TLCでは運転手の健康管理問題について、計画を発表する予定であると述べ「免許の期間を2年から3年に拡張したため、現在の慣行を見直す予定だ」とも話している。
また、紙面では過去のタクシー事故関連も掲載。昨年、人気ドキュメンタリーテレビ番組「60 Minutes」の特派員、ボブ・サイモンさんが乗車したタクシーの運転手が一時的に意識を失ったことで事故を起こし、サイモンさんは死亡。のちにこの運転手は自殺未遂を起こし片手を負傷したが、タクシー運転手として片手で運転業務を続けていた。
そのほか、昨夏、運転中に発作を起こした運転手が、プラザホテルの一角にタクシーが突入していたことも分かっている。