貧困層の高校生は60.9%にとどまる
非営利団体による高校卒業率の調査が発表され、ニューヨーク市では今でもなお貧困層の高校生の卒業率が低い水準にあり、経済格差が見て取れることが分かった。
調査によると、高校卒業率が低い14の区のうち、12がブロンクス内にあり、サウス・フォードハム、モリスハイツ、マウントホープの3地区が、卒業率が最も低い。高校を正規の4年で卒業できたのはわずか60.9%に留まった。マンハッタン南西部のグリニッジ・ヴィレッジ、ソーホー、トライベッカ、バッテリーパークのエリアは95.1%が4年で卒業している。
ニューヨーク市では12年間に渡り「自分が住むエリアで外の高校へ進学できる」選択制が採用されており、ほとんどの高校生は自分の住むエリア外の高校へ進学している。だが調査によれば今でも「住む場所」が影響しており貧困層が多く住むエリアに住む高校生の4年での卒業率が低い数値に留まっている。
その理由を調査では「中学最終年度になり、進学する高校を決定する際にも、貧困家庭では、選択制の良さを活かして子どもたちの進路を導く余裕がない。進学後も、学業を継続するための支援が、貧困・健康不良・経済的不安定さにより受けられない状況にある」とする。実際に4年で卒業した学生たちは「保護者の援助なく、生徒だけで選択、学業を継続することは不可能」とコメントを寄せている。ここ10年間で卒業率が上昇していることは良いニュースとしながらも、格差を公的支援で減らしていくことの重要性を、調査を発表した団体では強調している。