「母性が社会を変えていく」
ニューヨークでの国連総会のため訪米した安倍晋三首相に同行している昭恵夫人は9月24日、ジャパン・ソサエティー(JS)で「ニューヨークから世界に向けて発信:日本のファーストレディが描く“女性が輝く社会”とは?」をテーマにした講演と質疑応答を行った。司会に戦略国際問題研究所(CSIS)政治経済部長のマシュー・P・グッドマン氏。
同イベントでは、安倍政権が成長戦略の一貫として2020年までに管理職や役員など指導的地位に占める女性の割合を30%程度に引き上げる目標を設定したことを背景に、女性活躍促進へのこれからの取り組みについて話し合った。
昭恵夫人は「今までのピラミッド型の縦社会である男性社会ではこれからの世の中では通用できない。女性の強みである優しさと柔らかさを持って全てを受け入れていく、いわば母性のようなものが、これからの社会を変えていくのではないか。男性と女性のそれぞれの良いところを、これからの社会に生かしていくことができればより良い世の中になると思う」と自身の考えを述べて講演を締めくくった。
また夫人の講演後、ゲストスピーカーの日立アメリカ社取締役会長の八丁地隆氏が、実際に同社が行っている女性への制度について話した。同社では、女性が少ない製造業で、1980年には13%だった女性率を2014年には19%以上に上げることに成功している。要因として八丁地氏は、託児所を設立するチャイルドケアを行ったり、十分な産休・育休期間を設けたりしていることを挙げた。また、夫人と同様、チャイルドケアや産休といった制度だけでなく、男女雇用の均等といった考え方から変える必要があると話すと会場からは拍手が沸き起こった。(「WEEKLY Biz」(ニューヨーク)2014年10月4日号掲載)