〈Topic〉ARV、身分差別に苦しむインドの貧民層が救われる未来を目指して

0

23家族に多方面から支援

1129-15men-385915_10152597641290387_1150237940_n

プロジェクトリーダーの米国出身のエミリー・ヘイドックさん(左から2人目)と台湾出身のミシェル・フアさん(右端)=提供写真

「インドのシェブル村に暮らす、23の家族。カースト制度の名残で差別されている貧しい彼らがよりよい生活を送れるよう、住居、医療、教育などの多方面から支援し続けている」
人権擁護者のラヴィ・クマールによって2001年にインドのアーンドラ・プラデーシュ州を拠点に創設されたNGO、救済ボランティア協会(Association of Relief Volunteers=ARV)が力を注いでいる活動の一つだ。

社会的に軽視される現状
インド古来の身分制度である「カースト制」の身分以下と位置付けられ、不可触民と呼ばれた人々(現在はダリットと呼ばれる)への差別は、カースト制廃止後の今もなお村落部、特にインド南部では根強く残っている。にもかかわらず、その事実について社会的に軽視され続けている。
村人は、家を購入したり、建てたりする余裕がないため、先祖から引き継いだ一部屋しかないわらぶき屋根の小屋に暮らしており、その小屋も洪水、津波、サイクロンなどの自然災害が起こるといとも簡単に壊れてしまうような脆弱(ぜいじゃく)な物で、現在多くの村民がホームレス状態だという。

ARVによる支援

1129-15men-Volunteer Work
1129-15men-Volunteer Work2

ボランティアメンバーが村の人々と協力して家を作る様子=同

過去10年間において、ARVの集落形成プロジェクトは三つの村に暮らす100家族への支援を行ってきた。プロジェクトに必要な資金集め、国際ボランティアメンバーを現地に招くことで、安心して暮らせる住まいを提供するだけでなく、村民の自尊心を養い、安全性と将来への可能性を高める手助けをしている。
ARVは、村落地域の人々の住居支援を行うだけでなく、子供たちの教育や、医療における支援、弁護を行い、人々を力づけている。その一つとして、ARVは現在、シェブル村に23棟の頑丈なコンクリートの家を建てるために必要な資金を集めている。
来月下旬から現地で活動
プロジェクトリーダーとして舵をとる、米国出身のエミリー・ヘイドックさんと台湾出身のミシェル・フアさん。2人は日本政府の「語学指導等を行う外国青年招致事業」(JETプログラム)の一環で日本で英語教師をする傍ら、ARVの活動に携わり、今回で4回目の参加となる。2人の呼び掛けで台湾、米国、日本など世界から二十数人のボランティアメンバーが集まった。
12月25日から、世界数カ国から集まったボランティアメンバーからなるグループがインドに向けて旅立つ。現地のでの活動期間は12月27日から1月3日までの8日間。ARVでは随時、ボランティアを募集している。
クラウンドファンディング「WESYM」で12月28日まで寄付を募っており、Tポイント、楽天スーパーポイント、永久不滅ポイント、Gポイントでも支援ができる。詳細は、wesym.com/ja/projects/uncaste-india/参照。

◇ ◇ ◇

救済ボランティア協会(Association of Relief Volunteers=ARV)
【ウェブ】www.reliefvolunteers.org/volunteer.html 【フェイスブック】www.facebook.com/arv2001indi

Share.