宮城県塩釜市からもスピーカー
東日本大震災から4年になるのを前に8日、ニューヨーク・マンハッタンの教会でFellowship for Japan主催による追悼セレモニー「TOGETHER FOR 3.11」が行われた。ニューヨーク在住の日本人をはじめ約350人が参列し、震災の犠牲者と被災者に祈りをささげた。
主催団体リーダーでニューヨーク在住のシンガー・ソングライター、AK(柿原朱美)さんは冒頭のあいさつで「4年たった今でも、仮設住宅で生活している人が8万人以上もいる。現地の人々から『忘れてない人がいることが心の支えです』という声を聞いた」と話し、震災が起きたことを風化させてはならないことを訴えた。
式典では、在ニューヨーク総領事館の髙橋礼一郎総領事・大使やニューヨーク岩手県人会の松田耕一氏、そしてジャパン・ソサエティーの櫻井本篤理事長がスピーチを行った。
ゲスト・スピーカーとして招かれた宮城県塩釜市の高橋匡美さんは、両親を震災で失い、また自らも生きる気力を失ったという実体験から「みんな、明日がやってくる保証はどこにもない。だからこそ、一瞬、一瞬を生きていかなければならないと自分に言い聞かせてます」と語った。
また、震災後多くの支援コンサート活動を続けている秦万里子さんが、28人のコーラス隊を率いて熱唱し、日本にエールを送った。さらに、被災地からのビデオメッセージでは、福島県相馬市の「みなと保育園」の園児たちが、将来の夢を書いた紙を手に持ち、「私たちは、夢に向かって元気で頑張っています! ニューヨークの皆さんありがとう!」とのメッセージに、涙ぐむ参加者も多く見られた。
(「WEEKLY Biz」(ニューヨーク)2015年3月14日号掲載)