圧倒的な躍動感を体験
2月20日から27日までの1週間、洗足学園音楽大学(神奈川県川崎市)ジャズコース(引率:香取良彦教授)に在籍する16人の学生が研修でニューヨークを訪れた。文化交流と理解を目的とした同研修では、数々のニューヨーカーとの出会いの場が持たれた。
ジャズのレッスンを実施したのはニューヨークをベースに世界で活躍するジャズ界のスターら。サックス奏者やドラマー、トロンボーン奏者、プロデューサー、ピアニスト、作編曲家、音楽監督などさまざまな部門の音楽家陣から音楽家としてのキャリア設計、奴隷制度に始まったジャズの歴史、ジャズのリズムが持つ奥行き、ジャズのハーモニーの仕組みなどのレッスンが実施された。また、音楽家としての日々の悩みや人生相談の時間も設けられ、参加した学生は「人生観が変わりました」との声が上がった。
学校間交流も行われ、ブルックリンのザベリアン高校では、ジャズバンドとセッションを繰り広げ、ハーレムのフレデリック・ダグラス高校では日本語を学ぶ生徒による校内紹介と音楽や折り紙を通じた交流の場が持たれた。また、ブロードウェイミュージカルや、アポロシアター、老舗ジャズクラブ「ビレッジ・バンガード」でのジャズ演奏、ゴスペル演奏も鑑賞し、学生たちは本場のライブ・パフォーマンスによる圧倒的な躍動感を体験した。
研修のコーディネートしたニューヨーク在住のジャズピアニスト兼作編曲家でプロデューサーの宮嶋みぎわ氏とプロモーターの鈴木陽平氏は「感受性豊かなこの時期に本物と出会うチャンスを作って差し上げられたことがうれしい。これからもこのようなツアーを実施していきたい」と語った。
(「WEEKLY Biz」(ニューヨーク)2015年3月21日号掲載)