大江千里さんと共演、「聖母たちのララバイ」など熱唱
歌手の岩崎宏美さんがデビュー40周年を記念して6日、マンハッタンのマーキン・コンサート・ホールでニューヨーク公演を行った。ジャズピアニスト大江千里さんがピアノ伴奏として共演。早くからチケットが完売していた同公演会場には多くの観客が詰め掛けた。
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初めに岩崎さんが日本語と英語であいさつをすると、満席となった会場全体は和やかな雰囲気に包まれた。歌は「万華鏡」「すみれ色の涙」「思秋期」など自身のヒット曲から始まり、ナット・キング・コールの「When I Fall In Love」やミュージカル「レ・ミゼラブル」の劇中曲「夢やぶれて」などの名曲も歌い上げ、観客を引き込んでいった。
また、大江千里さんのピアノ伴奏も、ときにゆったり、ときにダイナミックに、歌と見事に融合しながら会場を一層盛り上げた。
コンサート中盤には当地の子供たちによる合唱団が加わり、和やかなひとときとなった後、「ロマンス」「シンデレラ・ハネムーン」などを織り込んだ、今回の公演記念バージョンのヒット曲メドレーが歌われ、手拍子で会場は一つとなった。そして最後に40周年記念シングル「光の軌跡」で締めくくった。
鳴りやまないアンコールの拍手に応え、「聖母たちのララバイ」と、大江千里さんが作詞・作曲した「始まりの詩、あなたへ」を披露。最後は観客とともに「故郷」を合唱して、スタンディングオベーションの中、幕を閉じた。
岩崎さん「最高の思い出に」
大江さん「また来てほしい」
13曲を熱唱した公演終了後、地元メディアを前に記者会見が行われ、岩崎さんは「温かいお客さまの前で千里さんの心温まる演奏とともにお届けできたのは最高の思い出となりました」と公演の感想を語り、大江さんは会場の多くを占めた日本人の観客に関し、「シャイな部分を持ちつつも、最後にバッと立たれたのを見たとき、感動と達成感と喜びと感謝がいっぺんに湧き上がりました」と語った。
また、共演した感想を尋ねられると、岩崎さんは「長いお付き合いになりますが、準備していく中で、すごく豊富にポケットをお持ちだと感じ、新鮮でした。日本で知っていた千里さんよりも、こちらに来てもっともっと大きくなったのだなと感じました」と話した。プライベートでも岩崎さんと仲が良いという大江さんは、岩崎さんの優しい人柄について触れた後「温かくて響きがある、お客さんが主役になれるような手作りのコンサートをやりたいと思っていました。緊張もありましたが、1秒1秒を楽しまないとバチが当たるぞという気持ちを込めて、いい状態で終えることができました。宏美さんのものすごいプロフェッショナルな部分と人間くさい部分が出て、ニューヨークのファンの人たちは本当にラッキーだと思いますし、(岩崎さんには)また来てほしいなと思います」と語った。
(「WEEKLY Biz」(ニューヨーク)2015年8月15日号掲載)