NYで英語のスピーチ
日本からの高校生に米国人も大きな拍手
ニューヨークのイーストビレッジにあるクーパーユニオン大学内のグレートホールで3月28日、日本の高校生が自らの意見を英語で発信するスピーチ大会「ジャパン・コネクト(Japan Connect)」(主催・早稲田塾)が開催された。「ジャパン・コネクト」は、自分の意見をまとめあげ、発表する場を与えることで、現役高校生に次世代を担う人材としてさらに飛躍してほしいという願いから始められたイベントで、ロックフェラー財団傘下の国際文化交流支援団体、Asian Culture Council(ACC)との共催。今回は日本から5チーム17人の早稲田塾生がこの大舞台に挑んだ。
高校生らは各チームごとに、「日本の英語教育の問題点」「2020年の東京五輪では自分たちには何ができるのか」「グローバリゼーションと私たちの関わりとは」などテーマを設定。「日本の英語教育では、会話をするための訓練がほとんどされないが、実際に海外に出てみると、まず必要なのは会話の能力」と、自らの体験を元に意見を述べるスピーチや「『すみません』という言葉は、『失礼します』『ごめんなさい』『ありがとう』など、さまざまな意味で用いられます」と日米の言語の違い、背景にある感覚の違いを述べるスピーチで観客の興味を集め、会場からは大きな拍手が送られた。
英語で行われた各チームのスピーチ内容をメモに取る観客の姿も見られ、会場に足を運んだ米国人観客は「母国語以外で話すことは大変なはずなのに、こちらが勉強になるほど分かりやすいスピーチばかりで素晴らしい。日本語の勉強にもなったので早速、明日から使ってみたい」と感想を寄せた。
司会を務めたACCエグゼクティブ・ディレクターのミホ・ウォルシュさんは「国際的な問題に積極的に関心を持ち、自らの問題として分析する姿勢に拍手」と参加者のスピーチを賞賛。終了後はレセプションが開催され、振る舞われた日本食を囲みながら、出場者と観客の歓談が和やかに続いた。
現役高校生へ革新的な教育プログラムを提供する早稲田塾では、これからの日本を担える次世代リーダーの輩出を目指し、予備校としては珍しいカリキュラムを設置。米タイム社の協力で毎年実施される英語のスピーチコンテスト「タイム・カップ」を実施するほか、慶応大学教授の竹中平蔵氏を招いたクラス「世界塾」や、ゲノム情報生物学の権威、富田勝氏を招いたクラスなど、世界の第一線で活躍するスペシャリストと交流できるプログラムを通じて、塾生らは政治・経済・環境問題・海外支援・国際交流などについて学び、自らの意見を育んでいる。
イベント内容や早稲田塾のカリキュラムへの問い合わせはEメール(amogm@wasedajuku.com)で。【ウェブ】www.wasedajuku.com
(「WEEKLY Biz」2014年4月5日号掲載)