東日本復興支援プロジェクト「Hand in Hand」 NYでコンサート

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被災地の高校生「感謝の気持ち伝えるため歌の力を使いたい」

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コンサートの模様(Photo By GION)

東日本復興支援プロジェクト「Hand in Hand」コンサートが3月26日、リンカーンセンターのローズシアターで開かれた。
3度目の開催となった今年は、福島県と岩手県の高校生と、被災地への支援を続けてきた埼玉県の高校生がニューヨークに招かれ、ニュージャージー州の大学生合唱団、アカデミー・オブ・ザ・シティの小学生、プロのオペラ歌手らと共演。米国が世界に誇る「ニューヨーク・シティ・オペラ・オーケストラ」の有志による演奏の下、カール・オルフ「カルミナ・ブラーナ」を合唱を披露した。
出演者らは、震災から3年をへて、復興に向け活力を取り戻しつつある東北地方の力強い思いを歌声に乗せた。

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開演前の記者会見で、同プロジェクトへの意気込みを語る日本からの高校生ら=3月26日、ニューヨーク(撮影・荒木)

開演前の記者会見で、出演者の岩手県立宮古高等学校2年生、佐藤彩夏さん(17)は、「多くの人々からの応援を実感している。この感謝の気持ちを伝えるために歌の力を使いたい」と緊張気味に語った。また、福島県立橘高等学校2年生で震災時、飯舘村に住んでいた大澤真子さん(17)は「今もまだ家には帰れていない。日がたつにつれ、(他の地域の)人々の被災地に対する思いは薄れ、復興は終わったと思われているのではないかと感じる」と被災地の実情を語り、「このコンサートを続けていくことで支援への感謝と被災地の復興を今一度思い直したい」とプロジェクトの趣旨でもある「継承」を強調した。
同プロジェクトは東北地方の高校生、米国の大学生、そしてプロのオペラ歌手やオーケストラの共演によるチャリティーコンサートで、被災地のこれからを担う若い世代に向けて「音楽」を通じた物心両面での支援を行うことを目的としている。2011年に指揮者・山田あつし氏が立ち上げ、震災直後から現在までに世界各国から送られたさまざまな支援に日本からの感謝の意を表明することも活動目的の一つとしている。
活動の詳細はhandinhandconcert.com参照。(「WEEKLY Biz」2014年4月5日号掲載)

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