「Ancient Love Stories〜いにしえの恋」
伝統的なちりめん細工をアンティーク・シルクで創り上げ
日本有数の古布コレクターでもある、アンティーク・ファブリック・アーティスト(ちりめん細工作家)の堀結美子さんが8日から、ニューヨークで初の展示会を開催する。
日本をベースに活動
大阪出身で、日本をベースに活動する堀さん。グラフィックデザイナー、フォトスタジオの専属スタイリスト、着物講師の経験を経て、1999年に中国建国50周年記念、文部省国際文化交流「日中友好“絹”の共演」に出演。これをきっかけに“絹”の美しさに魅了され、日本の伝統工芸に傾倒し、古布、江戸ちりめんの収集を始め、日本有数の江戸ちりめんコレクターの一人となった。
2006年に、人形教室「ふくすけ倶楽部」を主宰。同年、アート誌「瞳」に作品が掲載され作家デビューを果たす。作品制作に没頭する中、11年、初代永徳斎(1830年)より続く伝統的市松人形師、藤村光環氏に師事。この出会いが、その後の作品制作に大きな影響を与えたという。翌年には、故十八代目中村勘三郎による「平成中村座」の小屋前、特設「五軒長屋」で作品を出展するなど発表の場を広げた。
ことし2月、自身が主宰するサロン「アンジュ(ange-salon.net)」を立ち上げ、藤村光環人形教室、堀結美子ちりめん細工教室をはじめ、サロンコンサートや有名作家によるワークショップなど、さまざまな文化活動を発信している。
伝統的な技法、様式を大切にしつつも、モダンな感覚を見事に表現した堀さんのちりめん細工作品は、かわいい顔を持つと評判の人形作品と共に好評を博している。
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ニューヨークでの初の展示会「Ancient Love Stories〜いにしえの恋」は、ミッドタウンウエストにあるJadite Galleries(413 W 50th St)で8日から5日間行う。雅(みやび)な古典風俗に潜む、妖艶な女性の姿を独特の美意識でとらえた「古木押し絵」シリーズをはじめ、伝統的なちりめん細工を、貴重なアンティーク・シルク(古布ちりめん)で創り上げた作品の数々を展示する。
〈展示会情報〉
【会期】8日〜12日
【会場】Jadite Galleries(http://jadite.com)
【住所】413 W 50th St
【電話】212-315-2740
【時間など】OPEN:火―土 12:00〜18:00、CLOSE:日・月
(「WEEKLY Biz」(ニューヨーク)2014年7月5日号掲載)