岩崎宏美

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今回のコンサートは新たな自分を見つける旅

「ガチ!」BOUT.212

 

岩崎宏美

 

「聖母(マドンナ)たちのララバイ」「ロマンス」など数々の大ヒット曲を持つ、国民的歌姫の岩崎宏美さん。デビュー40周年を記念し、8月6日にニューヨーク公演をマンハッタンのMerkin Concert Hallで行う。既に日本からの鑑賞ツアーなどは完売状態で、その人気の高さがうかがえる。公演を控えた岩崎さんに、今の心境やジャズピアニストの大江千里さんを迎えた今回のコンサートの魅力などについてお話を伺った。 (聞き手・高橋克明)

 

デビュー40周年記念 来月6日、NY公演

いよいよ来月の6日にコンサートが迫ってきました。今の心境はいかがでしょう。

岩崎 世界のショービジネスを代表する街の舞台に立てることは岩崎宏美としての歴史の1ページを飾ることと思いますし、今は本当にわくわくしてますね。特にニューヨークに仕事で訪れること自体、今回が初めてのことなので。

海外でのコンサート経験が多いので、今までニューヨークでされてなかったことが、逆に意外な気もします。

岩崎 そうですね! コンサートでは香港、エジプト、それからチェコのプラハです。ニューヨークはプライベートでも、2000年に初めて訪れて、その後、夫と一緒に、2005年かな、2度しか行ったことがないんですね。で、今回はレコード会社のスタッフと一緒に行くわけですけれども、息子も一緒に来てくれます。

息子さんも楽しみにされていらっしゃいますね。

岩崎 息子は通訳兼ボディーガードで(笑)。(息子は)一応カナダで高校生活を送っていたので、英語が苦手な私は一人では無理なので一緒に来てもらいます。(笑)

なるほど。前回来られた時はこの街にはどういった印象を持たれましたか。

岩崎 とにかく刺激的な街ですよねー。ロサンゼルスは何度かレコーディングで訪れたことがあるんですけれど、全然違いますよね。特に、人の歩いてる速度が速い! 交差点とか歩いてると、東京と似てるなって思うこともあるんですけれど、違うのは、基本みんな信号無視してる。(笑)

はい、スミマセン。(笑)

岩崎 (笑)。でも、なんて言うのかな、ここにきてちょうど(歌手生活)40周年を迎えて、このタイミングでニューヨークを訪れることができて、それが新たな自分を見つける旅になったらいいなと思いますね。

この40年間は岩崎さんにとって長かったでしょうか。それとも短かったでしょうか。

岩崎 歌い手としては、ちょうどいい……。まぁ歌手としてはまだ40歳なので、今が一番いいころではないかなと思っています。はい。

海外でのコンサートと日本での従来のコンサート、意識的に変えられるところはありますか。

岩崎 何が違うのかなー。サポートしてくれるスタッフがやっぱり(海外なので)ちょっと減るくらいで、そのくらいですかね(笑)。あとは私、時差ボケがひどいので、特にニューヨークは厳しかった印象がありますので、(現地に)入るのを少し早めて、あまり時差ボケのダメージを受けないよう、なんとか本番に臨みたいなと思っています。

今回のコンサートはあの大江千里さんとのコラボレーションということですが。

岩崎 千里さんのピアノでどんな歌が歌えるのか、今から本当にワクワクしてるんですね。私の曲をどんなアレンジにしてくださるのかすごく楽しみなんです。業界の人で一番プライベートでお付き合いしてる、うちに一番ごはんを食べに来ているのが千里さんなんです(笑)。だからってわけじゃないけど、何でも話せるし、気になったところは音楽のことでもお互いにちゃんとアドバイスできると思ってるので、きっと(ライブは)すごくいい時間になると思ってるんです。

岩崎さんのボーカルと千里さんのピアノ1本というライブになるわけですが、従来の、バンドをバックに歌う時とはあらゆる意味で違うと思うのですが。

岩崎 昨年、ピアニストの国府弘子さんと初めて「ピアノ・ソングス」というタイトルで全国12カ所回ったんです。すごくハードなツアーではありましたけれど、いつもの弦(楽)カルテット(四重奏)もいる7名のバンドからピアノ1本に戻った時に、私にとってピアノで歌を歌うということは原点なんだなぁって、ここが私の原点なんだって、すごくいいことに気付かせてもらえたんです。なので、今回も40周年でしたら、ぜひ、千里さんのピアノで歌いたいって思ったんです。

ピアノの伴奏だけで歌う。この良さは言葉でいうと何でしょう。

岩崎 うーん、シンプルではありますけれど、(ピアノ演奏者と)お互いの精神を統一させて、あうんの呼吸で歌う歌を届けられるということですかね。千里さんのピアノのタッチを聞きながら私は歌って、千里さんには私のブレスを感じてもらいながら弾いてもらいたい。本当に楽しみです。

今回の選曲は。

岩崎 「聖母たちのララバイ」「思秋期」はもちろん歌います。「ロマンス」「センチメンタル」は、多分メドレーでお届けすると思います。あと、童謡も歌おうかということになり、「赤とんぼ」「七つの子」など、コーラスの子供たちと一緒に歌うことになるかと思います。

今回のコンサートで伝えたいものはなんでしょう。

岩崎 私の曲は日本語がすごくキレイなんですね。まずそこを感じてほしくって。それと私自身、昔は「いつか自分もこんな経験するのかなー」って思いながら想像の世界で歌っていましたけれど、今は「あの時こんな思いだったかな」って思い出しながら歌うことが多くなったんですね。なので、例えば日本を離れて何年か経っている方であれば、日本にいた「あのころ」をきっと懐かしく思っていただける歌もたくさんお聴かせできると思いますし、ほっとした温かい気持ちになっていただけるかなって思っています。日本人で良かったな、って思っていただけるように歌いたいですね。

最後に当日来られる読者にメッセージをお願いします。

岩崎 はい。16歳だった岩崎宏美も、40年経ってこんなに大人になりましたけれど、歌への想いは変わってないので、今の私の想いをぜひお時間をつくって聴きにいらしてください。

岩崎宏美(いわさき ひろみ) 職業:歌手
1975年に歌手としてデビュー。2015年までにシングル67枚、オリジナルアルバム28枚を発表。セカンドシングル「ロマンス」は、90万枚の売り上げを記録。第17回日本レコード大賞新人賞をはじめ、数々の新人賞を受賞。シングル「聖母たちのララバイ」は、130万枚を越えるヒットとなり、日本歌謡大賞を受賞。国民的番組NHK年末恒例の「紅白歌合戦」にはデビューから14年連続出場。数多くのヒット曲を持ち、ドラマ主題歌にも多数起用される、日本を代表する女性ボーカリストである。1985年には、香港クイーンエリザベススタジアムにて、初の海外コンサート。翌年、エジプト・カイロで行われた「ジャパン・ウイーク」のメーンイベントとしてピラミッドとスフィンクスの前でコンサートを行う。同所で公演を行うのは、ビートルズ、フランク・シナトラ、フリオ・イグレシアスに次ぐ4人目、女性初の快挙である。2006年にはラスベガスにてバリー・マニロウと共演。07年にはチェコフィルハーモニー管弦楽団とのコラボ・アルバム「PRAHA」をリリース。翌年、チェコ共和国初代親善大使に就任。10年には、チェコ共和国、ドヴォジャーク(ドボルザーク)ホールにて記念コンサートも行うなど、海外での活動も積極的に行う。この他、ミュージカルにも多数出演。ロックミュージカル「ハムレット」オフィーリア役、「屋根の上のヴァイオリン弾き」次女のホーデル役、「レ・ミゼラブル」ファンティーヌ役は初演キャストである。15年はデビュー40周年を迎え、4月にシングル「光の軌跡」、5月にはセルフカバー・ベストアルバム「MY SONGS」をリリース。(www.amazon.co.jpにて米国内からも購入可)また5月30日から全国コンサートツアー「40周年感謝祭 光の軌跡」がスタート。

 

★インタビューの舞台裏★ → ameblo.jp/matenrounikki/entry-12059777743.html

 

〈コンサート情報〉

The 40th Anniversary Hiromi Iwasaki with Senri Oe(piano)

岩崎宏美

【日時】8月6日(木)午後8時〜
【会場】Merkin Concert Hall (at Kaufman Music Center)
【場所】129 West 67th St(btw Broadway and Amsterdam), NYC
【チケット】 25ドル、50ドル、70ドル
▪チケット購入情報▪
●一般販売:7月6日
Merkin Concert Hall ボックスオフィス
〈電話〉212-501-3330
〈Eメール〉
boxoffice@kaufmanmusiccenter.org
●問い合わせ・詳細
〈Eメール〉info@peaceneverdies.com
(PNDまで)
〈PNDホームページ〉peaceneverdie.com/
〈岩崎宏美オフィシャルサイト〉
www.hiroring.com/

 

〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。

 

(2015年7月11日号掲載)

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