メロディー インタビュー 日本の人が気付かない日本の魅力を海外の人に伝えたい

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「ガチ!」BOUT. 261
タレント メロディーに聞く

米国に住む日系人としての今後の目標

米国在住の日本人には、FCIのリポーターとしてもおなじみのメロディーさん。米国育ちでありながら独学で日本語を学び、バイリンガルの強みを生かし、日本の情報を世界に、海外の情報を日本に、とさらに広く深く伝えていけるようグローバルアーティストとしての活動に力を注いでいる。紙面だけでは紹介できないほどのロングインタビューで、米国に住む日系人としての遍歴、また今後の目標などを赤裸々に語ってくれた。 (聞き手・高橋克明)

-メロディーさんは、テレビのリポーターから、同時通訳、ドラマの撮影や編集、そしてユーチューバーとしても活躍されています。あまりにもお忙しいと思うのですが…。
メロディー もともと、バレエダンサーだったので、表舞台に立つパフォーマーでもありましたし、裏方の仕事もしていましたし、いろいろなジャンルに挑戦したいと思っています。

- 一番楽しいのはどれですか
メロディー うーんん…どれも好きです(笑)。バレエの世界にいたので(表舞台で)表現することが、やっぱり一番好きかな………あ、でもクリエーティブな方とコレボレーションして何か作品を作ることも大好きです。動画を作って配信したりだとか、アーティスティックな写真の撮影をしたりとか。

-決められませんよね(笑)。失礼いたしました、変な質問で。全部、楽しい、と。
メロディー はい!

-ニューヨーク在住の日本人には、FCIのキャスターとして有名なメロディーさんですが、FCIでお仕事するきっかけはなんだったのでしょう。
メロディー 実は兄がFCIさんの報道室で働いていまして、ちょうどリポーターを探しているっていう時期に、私の写真を軽~い気持ちで、勝手に見せたらしくて。で、面接にってことまで勝手に話が進んでたんですけど、最初は「無理無理無理! 断って!」って感じで。

-結果、今では街で日本人に声を掛けられることも多いですよね。
メロディー おかげさまで。私も子供のころから観ていた番組だったので、今となっては本当に光栄です。

-子供のころ! 今、おいくつですか。。
メロディー 26歳です。学生のころ、日本語をなるべく聞いて勉強したくて観ていました。なので、久下(香織子)さんも見ていました。初めてオフィスでお会いした時に「あぁ~、久下さんだぁ」って感動して。あの時観ていた場所に来られたんだ、って感動しましたね。

-現場にはすぐに慣れましたか。
メロディー やっぱり最初は分からない(テレビ)業界用語もあったりしたんですが、久下さんや、阿部(知代)さんがとっても優しく教えてくださったので、最初から楽しかったです。

-最初のFCIでのお仕事の時は何の取材でしたか。
メロディー 19歳の時でしたね。「トレンデリシャス」っていうニューヨークのトレンドを発信するコーナーで、ブルーミングデールズに行って、ファッションのリポートでした。

-緊張されましたか。
メロディー もちろん! もともと私がバレエをやっていたのも、しゃべらなくていいからだったので(笑)。でもその時は兄がカメラマンだったのと、(取材)相手も英語だったので、助かりました。それよりも、そのコーナーが、いきなり私の担当コーナーになるって聞いて、そっちに緊張しましたね。

-でも、それ以前にもユーチューバーとして、カメラの前でしゃべることは慣れていらっしゃいましたよね。
メロディー でも、ユーチューブは自宅で自分でカメラをセットして「こういうスキンケア使ってます」って、もごもごしゃべってる素人レベルだったので。

-この7年で一番印象に残っている仕事は何でしたか。
メロディー やっぱりイベントで安倍首相の(トークショーの)MCをさせて頂いた時ですかね。

-(日本政府)観光局(JNTO)のイベントですよね。僕も現場にいて、すごいなって思ってました。
メロディー
 あの時は、他にもYOSHIKIさんとか、(卓球の)石川(佳純)選手とかすごいゲストの方がいらしゃっていて、イベント前は毎晩のように、(ニューヨーク時間の)夜中の2時まで日本の方と打ち合わせていました。収録やユーチューブだとやり直しがきくけど、生イベントの司会だと1発勝負なんで、前日からほとんど寝られなかったですね。

-そのユーチューバーになったキッカケは何だったんですか。。
メロディー もともとダンス系の動画を見るのが好きで、いつも見ていたユーチューブにコメントを残したら、返事が来て。そこからやりとりしていくうちに「あなたもユーチューブ始めればいいのに」って言われて。見る側だった私は、それまで考えたこともなかったけど、私にもできるのかなって。私がアップするとしたら、ダンス系の動画しかないと思って。

-最初はバレエの動画をアップしていたんですね。
メロディー
 そうしたら、企業さんが見つけてくれて、「こういう商品とか宣伝してくれませんか?」と言われて、ビューティー系の商品を紹介する動画をアップするようになり、どんどんジャンルを広げていったって感じです。

-ユーチューブで動画をアップする魅力はなんでしょう。
メロディー
 やっぱり、世界中の人が見られるじゃないですか。だから聞いたこともないような国の方でもコメント残してくれたりとか、それこそ私の場合、日本ともっとつながりたいと思っていたので、日本の人が直接コメント寄せてくれたりとか、そんな時はすごくうれしいですね。

-テレビとはまた違った楽しさがある、と。
メロディー テレビはテレビでいいんですけど、その地域に住んでいる人しか見られないですよね。ユーチューブならどこにいても誰でも見られるし、直接やりとりもできるので、世界とつながれる気がします。中国に仕事で行った時ですら、街中で学生が「観てるよー」って声掛けてくれりして。

-中国でもユーチューブを観ることができる?
メロディー 本当は規制されているんですけど、若い子たちは(中国政府の規制を)かいくぐってアクセスしてるみたいで(笑)。特にバレエの開脚の仕方の回のことはよく言われました。ユーチューブって中国ですら、声掛けられるんだなって思いました。

-撮影から編集までお一人でされているんですか。
メロディー そうですね、全部自分でやってます。

-内容も非常に充実されています。
メロディー 例えば、足を補正する方法とか、ダイエット方法とか、バレエダンサーだったからこそ伝えられることもあると思うんです。あとはビューティー系だと、商品こういう商品オススメだよーとか、夜はこういうケアしてますよーっていうライフケアのコンテンツをアップしているんですけど、最近はもっとニューヨークと日本との文化の違いとか、そういう社会的なコンテンツを増やしていきたいなと思っています

-日本とアメリカの文化の違いを発信するのは、メロディーさんならではですね。
メロディー 私は、アメリカで育っているのですが、日本人の両親を持って、100%日本人なので、アメリカ人の目から見た、日本人が気付かないような日本の魅力っていうのもシェアしたいなって思ってるんですね。日本の方が海外に憧れを持っているのを見ると、「日本はこんなに素晴らしいものがあるのに、どうして、これをもっと、伝えないんだろう」って思うので。

-日本人には逆に当たり前すぎて気付かないことを。
メロディー 日本人には日常でも、海外の人から見ると、すごい魅力的に感じるものがいろいろあったりするんですね、そういう日本人が気付かない日本の素晴らしいことをもっと紹介していきたいって思ってます。日本育ちと思われることが多いんですけれど、(あくまで)日本語は第2外国語なので、初対面の方に(自分の日本語で)失礼があったりすると困るので、日本に住んだことはないということは事前にお話させていただくようにしてます。(笑)

-僕よりお上手です…。
メロディー いえ、いえそんなことないです! ビジネスレベルにはまだまだ達していなくて。

-いえ、完璧です。それだけ日本語が完璧だと、逆に本当に英語しゃべれるの?って感じです。。
メロディー (笑)。英語の方が、断然ラクです。日本語だとたまに敬語を自分に対して使っちゃったり…。

-私がお召し上がります」とか。
メロディー はい、言っちゃいそうになります(笑)。丁寧にお話しようとするほど、頭でぐるぐる考えちゃったり。今も必死で言葉を選んでます。

-幼少時の日本語学校だけで、そこまで話せるようになるものですか。
メロディー (平日、現地校に加えて)日本語学校も土日に行かなくちゃいけないのが嫌で、「日本語、もう嫌だ」って泣いちゃってたくらいで。両親も、嫌々行かせても日本語が逆に嫌いになっちゃうだろうからって思い切ってやめさせたんです。それより、自宅で日記を書かせたりとか、書いた日記を父に見てもらって、「新しい漢字を使えたねー」とか、「ここはこう書いた方がもっといいよ」とか、兄と並んで座ってお互いの日記を見せ合うとか、楽しく勉強できるように両親がいろいろ考えてくれて日本語を勉強できる方法を見つけて…。

-素晴らしいご両親ですね。好きなものだとやはり吸収しやすいですよね。
メロディー 絶対そうだと思います。日本は住んだことはなかったんですけれど、祖父母を訪ねて毎年夏休みに遊びに行ってたんですね。日本までってフライト時間が長いじゃないですか。8歳、9歳の頃、当時はCDプレーヤーでしか音楽を聴くことができなかったので、飛行機の中でいろんな曲を聴こうと思った時に、日本のCDを初めて聴いて「いいかもー♡」って。そこからJポップにハマっちゃいました。

-具体的にはどのアーティストに。
メロディー いっぱいます! 当時は浜崎あゆみさんとか、大塚愛さんとか、GLAYとか、モーニング娘。とか…で、日本に行った時にたまたまテレビで(テレビ朝日系の)「ミュージックステーション」を見て衝撃を受けて。(笑)

-歌謡曲のどこにハマったのでしょう。ポップソングはむしろ北米の方が本場のような気もするのですが、…。
メロディー 日本の曲は、メロディーだけじゃなくって、歌詞自体もちょっとしたニュアンスだけで、表現が変わる繊細さがあるというか…。例えば私が初めて歌詞を見て「すごいなー」と思ったのが、「おもい」って言葉も漢字が二つあるじゃないですか。

-「思い」と「想い」。
メロディー そう! 歌詞を見た時に「おもい」って言っているのに見たことがない漢字だったので、「あれ、なんでだろう」と思って父に聞いたら、「ただ思うこと」と、「人を大切に想うこと」の違いだって言われて。「すごい!」って感動して。歌詞から、それだけ細かい違いを表現できるのって日本語の美しさだなと思いました。それはアメリカにはない魅力だと思います。

-なるほど……。「会う」と「逢う」とか。
メロディー まさにその通りです!(笑)

-でも、こっちの同級生は隣でシャキーラやピンクを聴いてるわけですよね。
メロディー そうなんですよ…。でも、私には日本の曲の方が断然、魅力的に感じました。ああ! あとはドラマも(日本語を好きになった要因として)大きいかもしれないです!

-日本のドラマですか。
メロディー はい。綾瀬はるかさんが主演されている「ホタルノヒカリ」っていうドラマが一番好きで。

-以前、ユーチューブで綾瀬さんにインタビューされてましたよね。
メロディー そうなんです!(うれしそう) 夢が叶った瞬間でした。私、綾瀬さんの演技がすごく好きで。シリアスなドラマも見てたんですけれども、コメディーっぽいのを見ると日本のジョークとかも学べるので、そういう意味でもすごい面白くって…はい。。

-日本の笑いは、分かりづらくないですか
メロディー すごくコアです! ツボが(アメリカ人と)違うのかも。日本で育ってないと、その笑いの感覚は分かんないのかなぁって。例えば…あの、ジャンガジャンガ、ジャンガジャンガ、ジャーンっていう…。

-あ。アンガールズ(笑)。あれは分かんなくても大丈夫です。
メロディー 最初にアニメや歌番組で興味を持って、実際に言葉を覚えるのはドラマを見て、敬語を覚えたのは、ドキュメンタリー番組を観て…。そうやって日本語を覚えていきましたね。とにかく日本のカルチャーは憧れでしたね。

-日本のどこに一番行きたかっ……。
メロディー (食い気味で)渋谷に行ってみたかったですっ!! (駅前の)スクランブル交差点!! 20歳の時に初めて一人で行って。(興奮気味)

-いかがでしたか(笑)。スクランブル交差点。
メロディー 感動しました! 歩くだけで人混みでクラクラして、ニューヨークと全然違っていて、全員、黒髪で、全員、同じような格好している人が向こうから一斉に規則正しく、そろって、ぶあーって歩いてくるのは、ちょっとショッキングで、何か、違う惑星に来た気分になりましたね…。

-こっちだといろんな髪の色したいろんな人種の方がバラバラに歩きいてますもんね。(笑)
メロディー そう……。あとは、満員電車にも憧れていて(至って真面目な顔で)。

-あははは。憧れなくていいです、そんなの。(笑)
メロディー 日本の友達に話すと爆笑されちゃいます。ドラマやアニメで見た(駅の)階段を駆け上がって、「あっー、ちょっと待ってー!」みたいな感じで、扉が閉まる直前に入って、車内でぎゅうぎゅうになったまま、ガタンゴトンっていう、あれをやりたかったので。(笑)

-それが嫌で、僕はアメリカに来ました。(笑)
メロディー でも、こっちで育った日系の人はみんな学ランや制服に憧れたと思うんです。満員電車とか、桜の季節の卒業式とか、アメリカには絶対ないようなことなので。日本の方にとっての日常は、私たちにとっては映画の中の世界に見えて…。

-逆はよく聞きます。日本からの旅行者がいまだに「セックス・アンド・ザ・シティ」のロケで使ったお店に連れて行けとか。あとは渋谷の思い出は…。
メロディー (さえぎるように)「やりたいことリスト」を作っていて、行って、全部しました! 「プリクラ」を撮るとか、ごてごてのネイルをしてみるとか。

-なるほど(笑)。憧れの街は想像以上に楽しかったようですね。
メロディー 高校まではバレエ漬けの毎日で、長い時は一日9時間のレッスンという生活だったので。バレエって、見た目、すごく優雅に見えると思うんですけれど、実際にはアスリートくらい体力的に大変で。でも、今でもやっていて良かったなと思うのが、人と接する時に柔らかい感じで表現できるというか、日常面でもバレエってすごく役立つんですよね。初対面の人に対しても、自然と背筋を伸ばして接せられるというか。例えば、座れなくてもずっと立っていられるのも、バレリーナだと普通のことだからだと思うんです。

-普段の立ち姿がすごくおきれいだと思っていました。
メロディー あとは健康面でも、毎日、ストレッチすることが私たちは普通なんですけれど、アンチエイジングにも効果があったりとか。

-2歳の娘にバレエやらせようって今、決めました。(笑)
メロディー ほんっっとお勧めです。フィジカルだけじゃなくて、メンタルにもいいんです。私のバレエ友達は、バレエをすることで、人に対して思いやりの心が出たって言ってました。バレエって言葉のない世界なので、伝えることを体で表現しないといけない。より伝わるように、より丁寧にという世界なので。相手が今、考えていること、思っていることを感じよう、考えようって思う習慣が身につくと思います。

-今のメロディーさんにとって、バレエは仕事にも人生にも支えになっている、と。
メロディー 自分の体の中に、バレエという線が1本入ってる気はします。昔は、いつも自信がない感じで、ずっと猫背だったんですけど、舞台の上では「こんなことしてるわけにはいかない」って、そこから、こう、胸を開けるようになって、首を伸ばして肩をおろして、姿勢を良くして。そうなると自然と考え方も変わって、人生も変わった気がします。

-最後に、ニューヨーク在住の日本の方にメッセージを頂けますか。
メロディー 私はダンスを10年くらいやって、もうその世界で生きていくんだろうなぁって思ってたんですね。テレビのお仕事のお話を頂いても、シャッターを下ろして、自分が心地いい世界に閉じこもってました。でもシャットアウトしたままだと、新しい世界での出会いはオートマチックに0%になってしまうってことに気付いたんですね。” 100% of the shots you don’t take, don’t go in ” っていう言葉がアメリカにはあって、バスケットボールでシュート自体を放棄すれば、ゴールする確率は0%になってしまう。自分にとって怖いことでも、緊張することでも、シュートすればゴールはできなくても、きっとそこで得られるものはあるんじゃないかなって。シャッターをガラガラって開ければ、それだけでいろんなopportunityが目の前に広がる。日本から、ニューヨークに行くぞって決めてココまで来た、それだけの勇気というか、それだけのパワーを持ってる人でしたら、きっと、いっぱい良いopportunityが舞い込んでくると思います。すみません、生意気なこと言って。(笑)

 

メロディー モリタ(Melodee Morita)
職業:TVリポーター&ディレクター、バイリンガルMC、YouTubeアーティスト
ロサンゼルス育ち、ニューヨークを拠点に日英両語でテレビリポーター&ディレクター、MC・通訳(日本政府観光局など)、バレエダンサー、NBA公認アンバサダー、クリエーターとして活動している。ニューヨークのバレエ団でプロとして活動後、19歳でテレビ業界へ。個人で運営しているYouTubeチャンネル(www.youtube.com/melodeemorita)では、英語と日本語で世界に向けてさまざまなジャンルの動画を配信!
公式サイト:www.melodeemorita.com

〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。

(2018年7月7日号掲載)

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