BOUT. 277
プロレスラー オカダ・カズチカに聞く
新日本プロレスが4月6日、NYマディソン・スクエア・ガーデン大会を初開催
約半世紀、日本のプロレス界をけん引してきた「新日本プロレス(New Japan Pro-Wrestling Co., Ltd.)」。4月6日(土)、格闘技の殿堂「マディソン・スクエア・ガーデン(MSG)」で初めて、大会「G1 SUPERCARD」を行う。海外マットでも高い評価を得ている新日本プロレスの“ストロングスタイル”。その体現者として、MSGに登場する、オカダ・カズチカ選手に話を伺った。 (聞き手・高橋克明)
いよいよ来月の6日、ニューヨークでのマディソン・スクエア・ガーデン大会が迫ってまいりました。
オカダ そうですね、もう、楽しみなだけですね。正直言って、マディソン・スクエア・ガーデンの歴史とかはあまり分からないんですけれど、周りや僕の師匠であるウルティモ・ドラゴンさんが「そこでやるのはすごいね!」と言ってたので、そんな会場でプロレスができるのは楽しみですね。
特に思い入れはありませんでしたか。
オカダ でも、昔、海外遠征中に、棚橋(弘至)さんが「マディソン・スクエア・ガーデンでやれたらいいなぁ」みたいなこと言ってたんです。僕は「できるわけないじゃん」って心の中で思ってたんですよ。誰も新日本を知らないのに、って。それが時代も変わってきて、本当にできるようになったんだなって思いました。
過去にニューヨークで試合をした際に、ファンの反応で日本との違いを感じられたりはしましたか。
オカダ まぁ、プロレスの見方は違うなとは思いました。ただ、「どっちが勝つか」を観たい、という点では何も変わらないのかなとは思いますね。
どちらがやりやすいでしょう。
オカダ 僕はもう、どこでも一緒です。日本でも、アメリカでも、メキシコでも、そこで、どうやって“オカダ・カズチカ”を見せて、お客さんを満足させられるか。そこが僕の勝負なので、基本(世界中)どこでも同じですね。
なるほど。
オカダ どこであれ、新日本プロレスのオカダ・カズチカを見せなきゃいけないですから。どこであれ、通用するので。お客さんは新日本プロレスのオカダ・カズチカを見たいのに、アメリカ向けに戦い方を変えたら、「ちょっと、違うよね」ってなると思うんですよ。いつものオカダ・カズチカを見せないと意味がないです。
前回、ニューヨークのファンに取材した際に、いちばん生で見たいレスラーは、オカダ選手が一番多かったです。ご自身ではこの結果をどう分析されますか。
オカダ 今の時代、インターネットとかで(海外のファンも)新日本プロレスを観ることができるじゃないですか。ただ単に、その時代のトップに僕がいただけで、そういったタイミングじゃないですかね。
ただ、国内でも、天龍(源一郎)さんや鈴木みのる選手など往年の名選手が対戦相手に、オカダ選手を指名します。彼らを熱くさせる選手であることは間違いないと思うのですが…。
オカダ それも、僕が今のプロレス界のトップだからだと思うんですよ。いちばん分かりやすいですよね。(彼らにとって)いちばんおいしい相手なんじゃないですか。棚橋選手も内藤(哲也)選手もトップだと思うんですけれども、ここ最近の実績で言ったら僕がずば抜けてるので。
その棚橋選手は、昨夜のインタビューで「マディソン映えするのは、間違いなく自分だ」とおっしゃっていましたが。
オカダ (笑)。まぁ、でもそこは、レスラーみんな思ってることなんじゃないですかね。何かを残したいとみんな思ってるだろうし。でも、マディソン映えは棚橋さんかもしれませんけど、ニューヨーク映えは僕かなと。(笑)
なるほど。それでは当日のニューヨーカーのファンには何を見せたいでしょう。
オカダ 翌日にはレッスルマニアもあるので、これが本当のプロレスなんだよ、世界一の戦いなんだというところを見せたいですね。新日本プロレスの戦いを見せたいです。で、来てくれた人が、日本人ということを誇れる、そんなプロレスができたらと思っています。
★ インタビューの舞台裏 → ameblo.jp/matenrounikki/entry-12447257600.html
オカダ・カズチカ
職業:プロレスラー
1987年11月8日生まれ。愛知県安城市出身。新日本プロレス所属。15歳で単身メキシコに渡り、16歳でデビュー。2007年新日本プロレスに移籍後、アメリカでの武者修行を経て、12年1.4東京ドーム大会で凱旋(がいせん)。同年2月、当時のチャンピオン、棚橋弘至を破り、史上2番目の若さでIWGPヘビー級王座を戴冠。18年には圧倒的な強さで同王座の連続防衛記録「V12」を達成。現在も、新日本プロレスにカネの雨を降らせる男〝レインメーカー〟としてトップに立ち続ける。
(2019年3月23日号掲載)
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〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。
【ファンイベント㏌NY】
4月4日『NEW JAPAN MATSURI』
新日本プロレスのスター選手を間近で
新日本プロレスとROHによるマディソン・スクエア・ガーデン大会の2日前、4月4日(木)にブルックリンにある「ジャパン・ビレッジ(japanvillage.com/)」でイベントを行う。『NEW JAPAN MATSURI』とうたったこのイベントは、正午から午後8時まで開催で、新日本プロレスのスター選手らのトークイベントも企画されている。また、グッズ販売をはじめ、新日本の象徴ともいえる、ライオンのバナー前で撮影できる、フォトブースや、〝Matsuri〟というだけに子供も楽しめる縁日の出し物なども用意。プロレスファンにはもちろんのこと、あまり詳しくないという人でも楽しめるまたとないイベントとなっている。
当日は、正午から獣神サンダー・ライガー選手をゲストに迎えオープニングセレモニーが行われ、午後2時から矢野通選手、午後5時から内藤哲也選手、BUSHI選手のトークショーが行われ、午後7時からは棚橋弘至選手が登場し、トークショーが行われる。日本を代表する新日本プロレスのスター選手を間近で見られるまたとない機会、ぜひ会場まで。