「チャレンジ精神」でより高品質なサービスを目指す
〈企業トップインタビュー〉第2回
JALは11月30日、新たにダラス・フォートワース=東京(成田)間の直行便を開設するなど、米州路線を一層拡大させている。6月に同社の米州地区支配人兼ニューヨーク支店長に就任した木村啓氏に、これまでのキャリアと同社の今後の展望など、話を伺った。
今年ニューヨークへの赴任
木村氏は高校の時のAFS(American Field Service)交換留学プログラムをきっかけに、「文化を運ぶ仕事」でもある航空業界に興味を持った。当時の希望通り1982年に同社に入社し、最初の業務は沖縄の那覇空港でディスパッチャーとしての運航管理だった。空港全体のコントロールに携わることで、実質的なエアラインの業務を学んだ。その後、日本長期信用銀行(現・新生銀行)への出向、需要に応じて路線便数計画を決める経営企画室、客室乗務員の人員計画などを行う客室業務部、関連旅行会社への出向、機内サービスなどを考案・開発する商品開発部、そして営業所「JALプラザ大阪」といった様々な部署にわたり、それぞれの領域で当時の状況をより改善・進化させることに携わった。2009年にはヒューマンサービスの向上に努めるCS企画部、さらには監査部に移り、今年ニューヨークへの赴任となった。
今後も米州路線を強化
現在の同社の北米路線の需要は高く、座席も高い稼働率を保っており、今後も米州路線を強化していきたいと考える。また、日系企業の進出が著しい中南米への強化も進めたいとしており、今般のダラス・フォートワース線の開設で、米国内はもちろん、中南米エリアから日本への乗り継ぎ利便性が大幅に向上することが期待される。
経営理念は「常に謙虚に素直に」「努力は必ず報われる」
常に幅広い視野で全体を見ることが求められる領域で活躍してきた木村氏だが、来米して感じることは「もっと世界に目を向ける必要がある」ということだ。同社は「世界で一番選ばれ、愛される航空会社」を目標として掲げており、これまでにSKYTRAX社による2015年の「ベスト・エコノミークラス・エアラインシート」賞など、数々の部門で「世界1位」を獲得してきた。世界一になるために必要なことは、「お客さまへのおもてなしの心」とそれを支える「チャレンジ・スピリット」だと話す。顧客をおもてなしする心と、それを支えるスキルや常に新しいことに挑戦していく心構えが、高品質なサービスにつながっていくと考える。
そして木村氏自身が考える経営理念は「常に謙虚に素直に」「努力は必ず報われる」ということ。「スタッフを見ても、地味でもこつこつ努力を重ねられる人たちはしっかりとした業績を出しています。自分も頑張りたい」と笑顔で話す。
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きむら あきら 東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。1982年に入社し、那覇空港支店、日本長期信用銀行(出向)、経営企画室、客室業務部、ジャパンツアーシステム(出向)、商品開発部、JALプラザ大阪、CS企画部などでの勤務を経て、2015年6月10日より米州地区支配人兼ニューヨーク支店長に就任。
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★好きな著書・音楽
アーネスト・ヘミングウェイ著「老人と海」、セルゲイ・ラフマニノフ作曲のピアノ曲
★尊敬する人
天野浩(ノーベル物理学賞受賞者)
★休日の過ごし方
愛犬(ポメラニアン)とユニオンスクエアを散歩、ランニング
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〈企業情報〉
【本社】2Park Avenue, Suite 1100 New York, NY 10016
【事業内容】定期航空運送事業
【ウェブ】www.ar.jal.com
【予約・問い合わせ】1-800-525-3663
(2015年10月24日号掲載)