Pasona N A, Inc. 社長 古代賢司氏にインタビュー

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企業に「社会の問題点を解決する」提案も

〈トップインタビュー〉第1回

古代賢司
米国での人材紹介・派遣、さらに管理部門業務の委託など、在米日本人や日系企業を総合的にサポートするPasona N A, Inc.。古代賢司氏が同社社長に就任したのは2013年4月。2年あまりを経て当時を振り返り、「ほとんど何も見えていなかった」と語る。当時からの企業運営の理念は、近江商人の心得「三方良し」。求職者、企業、社員の三者が均等にハッピーでありたいという志だ。これは今も、今後も変わらないと日々実感している。しかし売り上げに注力していた営業時代と違い、社長として会社全体が見えたことで、従業員を大切にすることが、会社を守るうえでいかに大切かが分かったという。

企業のニーズに合った人材をしっかり見極め、紹介

多数ある競合他社の中で、採用支援に関する同社の強みは「スクリーニング力」にある。「なかなかいい人が出てこないですね」と顧客に言われることもあるが、これは企業のニーズに合った人材をしっかり見極め、紹介しているからだという。雇用ミスマッチを防ぐサービスを提供するため、採用経験が豊富で、すでに自社の採用基準を持つ企業は同社を選ぶ傾向にあるという。もちろん採用経験がなくこれから基準を築きたい企業へも、ニーズに合わせて対応している。

業務のアウトソーシングを取り入れることなどを提案

2006年に入社。米国の大学院を卒業後、当時社長だった佐藤スコット氏のインタビューを受けた際に「アウトソーシング事業を伸ばしたい」と夢を語られたのがきっかけだ。人材紹介・派遣業を主としていた同社が事業形態の転換期に入っていた時期だった。08年のリーマン・ショックを境に、企業の採用形態は多様化しており、同社では業務のアウトソーシングを取り入れることなどを提案している。

企業経営者と同じ目線で同じ悩みを持ってアシストできることは喜び

「働くという社会人生活の導入部分でのお手伝いができること、また企業経営者と同じ目線で同じ悩みを持ってアシストできることは喜びです」と事業への想いを語る古代社長。「社会の問題点を解決するという社是のもと、例えば出産前後の女性の就労支援の可能性はまだまだ大きいと思います。企業へ受け入れる体制づくりの提案等もしていきたい」と今後の展望を語った。

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 ふるしろ けんじ 大分県生まれ。1999年来米。University of La Verne, MBA,を卒業後、ニューヨークへ。Pasona N A, Inc.に入社。事業開発部マネジャーなどを経て、2013年4月、代表取締役社長に就任。

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★好きな著書
ジム・コリンズ著「Good to Great」(原書)
★尊敬する人
佐藤スコット氏(元Pasona N A, Inc. 社長)、母
★休日の過ごし方
サーフィン

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〈企業情報〉
【本社】757 Third Avenue, Suite 1901 New York, NY 10017
【事業内容】アウトソーシング・請負、人材紹介・派遣、人事/労務コンサルティング
ウェブ
【Eメール】info@pasona.com
(ニューヨーク・ビズ 2015年9月5日号掲載)

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