TKP 代表取締役社長 河野貴輝氏にインタビュー

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5〜10年先を見据えた次の一手を創出中

〈企業トップインタビュー〉第3回

 

TKP 代表取締役社長 河野貴輝氏

 

貸会議室事業の業界最大手、株式会社ティーケーピー(TKP/本社:東京新宿区)は2005年の設立からわずか10年間で200億円規模の売上高にまで急成長を遂げた注目の企業。同社が13年7月にニューヨークにカンファレンスセンターをオープンして2年以上が経った今、河野貴輝社長にこれまでの軌跡などを伺った。

今は第二次創業期

8月で10周年を迎えた同社の河野社長は会社設立当時を振り返る。「当時は生きるのに必死でドタバタでした。そこから会社が大きくなり組織ができてくると、この先の目標を見極めるなど見るべきものが変わり、今は第二次創業期という気持ちです。例えば今月(11月)は海外や地方出張で、東京には7日間しかいません。自社のスタッフを信じて任せ、海外や新規事業など、5〜10年先を見据えた次の一手を作っています」

日本で貸会議室専業唯一の全国展開

もともと空いているビルを小さな会議室にして始めたビジネスだったが、顧客のニーズに応えながら急速に発展していった。まず日本で求められたのはホテルの宴会場の代わりになるもの。オフィスビルであれば、駅から近くリーズナブルに提供できた。ビジネス仕様に特化できるため、ホテルのようにインテリア装飾など贅沢な部分が必要なく、効率的で、人件費も抑えられる。ニーズに応えて増えた会議室は1500室を越え、売上高200億円規模となった。さらに会議室のグレードを分けたり、ホテルの宴会場そのものを仕入れて運営を行っている。また弁当工場やレストラン、企業の宿泊研修施設となるセミナーホテルも展開していった。景気によって固定費と変動費のバランスを調整するなど金融業界で培われた戦略も生かす。日本で貸会議室専業で全国展開しているのはTKPのみとなる。

迷ったときは「正面突破」

ニューヨークは繁忙期と閑散期の差が激しいため、調整も簡単ではないが、スタッフを増やし、さらに充実させたばかりで来期は軌道に乗せる狙いだ。壁にぶつかったり、迷ったときは「正面突破」だという。「とにかくあきらめずにがむしゃらに色々なことをすると、ポンと(正解に)行き当たるときがあるのです。その代わり、管理職の社員たちはふりまわされて大変ですが」と笑う。

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かわの たかてる 大分県出身。1996年慶應義塾大学商学部卒業後、伊藤忠商事為替証券部を経て日本オンライン証券(現カブドットコム証券株式会社)設立に参画。イーバンク銀行株式会社(現楽天銀行)取締役営業本部長等を歴任後、2005年8月に同社を設立、代表取締役社長就任。

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★好きな番組
「龍馬伝」(NHKドラマ)
★尊敬する人
坂本龍馬
★休日の過ごし方
温泉めぐり

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〈企業情報〉
▪本社▪株式会社 ティーケーピー
【住所】東京都新宿区市谷八幡町8番地
【事業内容】企業向け総合アウトソーシング事業:ホテル宴会場・貸会議室運営、備品設備レンタル、料飲・レストラン運営、海外事業・旅行関連、ホテル&リゾート、コールセンター運営など
米国現地法人
【住所】TKP New York, Inc. 109 W 39th St
【ウェブ】tkpny.com/

(2015年12月12日号掲載)

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