〈コラム〉中川扶二夫 「逃げない、がKeyword」第19回

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耳が痛い話こそ心から感謝する

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耳が痛い!(笑)

私の歳になると誰もストレートに叱ってくれません。仮に遠まわしに叱ってくれているとしても、オヤジは気づきません。これが駄目オヤジ化の兆候です(苦笑)。しかし仕事上でのお客様からの苦情というのはストレートで、とてもありがたいご意見だと真摯に受け止めております。この、叱られて「ありがたい」と思えるかどうか、そこで会社や人間の成長のスピードに差が出るのです。
アドバイスやお叱りをいただいた時、それが耳の痛い話であればあるほど、「若いくせに生意気だ」「あなたも駄目な点があるのによく言うよ」、などと受け入れにくくなります。これは意見やアドバイスを苦情&攻撃と勘違いしているからなのです。しかしそれでは成長はしません。耳の痛い話こそ貴重な意見であり、改善のためのアドバイスなのです。
耳の痛い話がきたらまず、否定をしないで最後まで聞きましょう。間違っても相手の過去の行動など反撃材料を持ち出して言い返したりしないように。
反撃で勝ったと勘違いしてその場が収まったとしても、次のアドバイスは二度ともらえないでしょう。これは人間にとって大変な損失なのです。言ってくれる事に感謝し謙虚に聞く姿勢が大切です。
そしてもう一つ重要なこと、それはそれらの意見をどうやって今後に生かすか、ここからが真剣勝負です。仕事に関する事であれば、必ずチームで解決方法を考えてください。ひとつの「耳の痛い話」をチーム内でシェアしながら改善する事により、チームメイトの同じ失敗も防ぐことができ、改善の効果倍増です。

それでは耳の痛い話を言う立場に立ったら? 相手がそれを受け入れられる状態にあるかどうかを見極めて発言しなければなりません。相手にその用意ができていない場合、耳が痛くなるアドバイスをする事は時間の無駄です。忠告してあげたのにという自己満足や、お互いの悪感情という無意味な結果が残るだけです。相手がしっかり受け止めることができる状態であれば、メールでなく必ず会って、お互いに顔を付き合わせながら真剣に話すようにしてください。耳の痛い話をする事からも逃げないように。
(次回は10月第4週号掲載)
nakagawa-new〈プロフィル〉 中川扶二夫(な かがわふじお) 広島県出身。1988年にニューヨークに一人で渡り起業。在ニューヨーク25年。この間にアムネットをはじめ八つの会社(18拠点)を日米で立ち上げる。成功よりも失敗を肥やしに独自の「家族型経営」が世界で通用するかをチャレンジしている。現在、異業種進出を含め、アジア、南米、欧州へ の進出を計画中。

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