〈コラム〉中川扶二夫 「逃げない、がKeyword」第26回

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たかが機内、されど機内

0523-05men-IMG_5889飛行機での移動が多い4月でした。なんと12回飛びました。ニューヨーク・日本間を27年間で133回ほど往復すると、機内でいろいろな場面に遭遇するものです。機内の人間模様もよく観察すれば面白いですし、学ぶことも多々あります。
注文したものと違う食事がきて怒る人、食べたいものが品切れで怒る人、サービスが遅いと怒る人…、食事に関して怒るのは日本人が多いように思います。
私も何度か気分が悪いなと感じるサービスの時もありましたが、怒っても始まらないので、プラス思考&笑顔で切り抜けるようにしています。
例えば、CAさんのミスで注文したものとは別のものが出ても「他の方のお食事ではありませんか?」と笑顔で言います。こうしたミスも何かの縁、出されたものに笑顔でチャレンジです。これがまた普段は自分が絶対に頼まないもので(笑)、このチャレンジによって新しい発見があります。そして、今まで食べたことのない美味しさで、ファンになることもあるのです。
CAさんが忙しくてサービスが遅いとしても、怒らずに「時間がある時にお願いしますね」と笑顔で言うと、これが結構早く出てくるのです。(笑)

トイレに入った時は品格が出るものなので注意しましょう。自分が出る前はきれいに整えて出るのは当たり前です。入った時にはすでに汚かった。前の人が掃除をしていないからと理由をつけてそのままにして出るのではなく、自分の責任でなくても、次の方のために綺麗にするかどうかが品格の差なのです。
子供が泣いていても、どうか心を広く持ってください。子供は泣くのが仕事で、昔は皆泣いていたのですから。飛行機もバスと同じ乗り合いです、我慢しましょう。プライベートのリムジンではありません。子供が泣くことに我慢がならない場合はチャーター機に乗るしかないのです。
僅か13時間の狭い機内だからこそ品格が現れるに十分なシチュエーション、「たかが機内、されど機内」なのです。
(次回は6月第4週号掲載)

nakagawa-new〈プロフィル〉 中川扶二夫(な かがわふじお) 広島県出身。1988年にニューヨークに一人で渡り起業。在ニューヨーク25年。この間にアムネットをはじめ八つの会社(18拠点)を日米で立ち上げる。成功よりも失敗を肥やしに独自の「家族型経営」が世界で通用するかをチャレンジしている。現在、異業種進出を含め、アジア、南米、欧州へ の進出を計画中。

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