〈ピープル〉アートディレクター 澤入優介さん

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「スキルを向上させつつ恩返しがしたい」

グローバル企業を相手に活躍

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「趣味が仕事なんです」と笑顔を見せる澤入優介さん。ニューヨークで有名企業を相手に、デザインからブランディング、ウェブディレクションまで幅広く手掛け、目まぐるしく変わるデザイン業界の時代の波に乗る、アートディレクターだ。
大学在学中から憧れのニューヨークに行こうと決め、卒業後に新卒の正社員として就職はしなかった。流されて目標を先送りにしないためだ。安定した企業に就職していく友人たちを横目に、平日も週末も働く生活を1年続けて留学資金をため、念願のニューヨークに渡った。予算や学科を考えて、ブロンクスにある公立の大学「CUNY Bronx Community College(BCC)」に入学すると、そこでは日本人はおろかアジア人の学生はほぼ皆無。さらに社会人が学生の大半を占める中、澤入さんの存在は異色だった。目立つ存在で教授の目にも留まり、校内のギャラリーで働く機会を得て、自らの作品も展示された。すると数日後にギャラリー見学に来たデザイン会社「Firefly Design + Communications」の担当者に声を掛けられた。そこで卒業後の2008年、グラフィックデザイナーとしてインターンを始めることに。その後、手掛けたプロジェクトが成功して仕事がみるみる増え、半年たったころには正社員と変わらない仕事をこなしていた。同僚の後押しもあり、「正社員にしてほしい」と上司に相談したところ、結果は即答でOKだった。
こうして現在「Skype」「Yahoo !」「Maybelline New York」など数々のグローバル企業を相手にアートディレクターとして活躍する。最近は日本企業の仕事も増えているという。好きなことで仕事ができること、人が喜んでくれる仕事をしていることが非常に楽しく、幸せを感じているという澤入さん。仕事の傍ら、BCCのアドバイザリーボードのメンバーとして、講義、カリキュラムの検討やインターン、就職機会の促進に携わり人材の育成にも貢献している。「スキルを向上させつつ、(お世話になった人に、社会に)恩返しがしたい」という今後の目標に、もうすでに手が届いているようだ。

澤入さんが手掛けたプロジェクト
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アプリ「Touch&Tell」のブランディングデザインとアプリケーションデザインのアートディレクションを担当

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「Touch&Tell」のロゴ

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Photo Credit:Angelo Merendino
Website:mywifesfightwithbreastcancer.com
乳がんと闘う女性と家族をフォーカスした写真集「The Battle We Didn’t Choose」はiBooksで発売。レイアウトのディレクションとデザインを担当

 

(「WEEKLY Biz」(ニューヨーク)2015年8月1日号掲載)

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