茨城県在住の2歳男児の心臓移植を支援

0

NYのNPO団体が募金活動

 

生まれて3カ月から手術と入退院を繰り返し、心臓の限界が近づいていると診断を受けている2歳の稲本啓ちゃん。一刻も早い渡米と手術が望まれている。(提供写真)

生まれて3カ月から手術と入退院を繰り返し、心臓の限界が近づいていると診断を受けている2歳の稲本啓ちゃん。一刻も早い渡米と手術が望まれている。(提供写真)

 

ニューヨークを拠点とする非営利団体インスピレーション・ブリッジは3月、茨城県在住の稲本啓(ひろ)ちゃん(2)の心臓移植手術実現に向け、ニューヨークでの募金活動を開始したことを発表した。

コロンビア大学病院で実施予定の手術にかかる医療費と諸経費の総額は3億円以上に上り、日本では吉田沙保里選手らリオデジャネイロ五輪女子レスリング日本代表チームやゴルフの中嶋常幸プロなど著名人も応援するなどして積極的な募金活動が続けられているが、さらに1億3000万円以上の寄付が必要な状況(3月末現在)。

同団体はコロンビア大学病院の医師や弁護士などで構成されており、米国内での募金活動やニューヨークへの渡航などを援助する。自国外で手術を受ける必要がある患者などを援助する目的で設立された同団体の創設者の一人である大城奈緒美さんは「大きな金額だが、地元ニューヨークでの手術なので私たちニューヨーカーによる寄付で実現に近づけたい」と話す。

2014年11月、出生後すぐに「拡張型心筋症」という心臓の異常が見つかった啓ちゃん。心室中隔欠損という心臓の中に穴の開く病気も合併していたため、生まれて3カ月で東大病院で心臓の負担を少なくする手術を実施。入退院を繰り返し16年8月に心不全を起こした際、もう治療を続けても良くなる見込みはなく、心臓の限界が近づいていると診断された。

残された治療法がないため、子供用の補助人工心臓装着手術を受けたが、補助人工心臓はあくまで移植までの間、命をつなぐ装置で、啓ちゃんが元気に普通の生活を送るためには、心臓移植以外に道がない。日本国内での移植の可能性は非常に低い現状を受け、両親は渡米による移植を決意した。

インスピレーション・ブリッジは501© (3) 非営利団体で、寄付金は税控除対象となる。

■募金方法
▼日本のカードで募金 www.savehiro.com/
▼米国のカードで募金 www.gofundme.com/save-hiro
■稲本啓ちゃんの病状など詳細 www.savehiro.com
【詳細・問い合わせ先】 インスピレーションブリッジ:info@inspirationbridgecharity.org

(2017年4月1日号掲載)

Share.