会って言葉に出して話す
靴下の中に小さな石ころが入ったことあると思います。小さい小さい小石があるだけで本当に痛いし、不快ですよね。しかも、面倒臭がってそのまま靴を履き続けて地面を蹴ったり、足の指をもぞもぞ動かしてみたり、小石を取り除く努力を靴を脱がずにやってはみるのですが、一時的にどこかへ行ってもまた必ず出てきて不快になります。こんな時は面倒でも靴を一旦脱ぎ、そして靴下も脱いで小石を出すことに限ります。本当に直ぐにすっきりします。
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こんな気持ち、何かに似ていませんか? そうです、コミュニケーションと似ているのです。これは心の奥に小さなわだかまりを秘めていることと同じことなんです。一時的に忘れる努力をしたところで、またいつかそのわだかまりが必ず出てくるのです。靴下に入り込んだ小石のように、心の小石(わだかまり)をどこかにしまうのでは無く、思い切って相手に直接会って、言葉に出してみてはいかですか? 意外と簡単に解決するかもしれません。
インターネットでのメールや会議が増えている今だからこそ、コミュニケーションで大切なのはやはり、「会って言葉に出して話すこと」なのです。会って話せば誤解も少なく、本当の気持ちが伝わりますからね。
そのコミュニケーション方法に優先順位があるとすれば、
(1)実際に会って話す
(2)Skype等のテレビ電話で話す
(3)電話で話す
(4)電子メールでやりとりする
(5)何もせずに、ただ祈る
ではないでしょうか。
元CIA職員の盗聴問題の暴露事件、ロシアとアメリカの首脳会議がキャンセルとなる事態に発展しました。これって逆だと思うのです。こんな時だからこそ、会って話すこととが大切なのです。臭い物に蓋をする棚上げ外交では、やがて靴下に入った小石のごとく必ずまた問題が噴出します。日本の政治経済のトップの方々にも「逃げない、がKeyword」で国内外の問題解決にチャレンジしてもらいたいものです。
(次回は10月第4週号掲載)
〈プロフィル〉 中川扶二夫(な かがわふじお) 広島県出身。1988年にニューヨークに一人で渡り起業。在ニューヨーク25年。この間にアムネットをはじめ八つの会社(18拠点)を日米で立ち上げる。成功よりも失敗を肥やしに独自の「家族型経営」が世界で通用するかをチャレンジしている。現在、異業種進出を含め、アジア、南米、欧州へ の進出を計画中。