NY日系ライオンズクラブ主催
ニューヨーク日系ライオンズクラブ(相田道治会長)は14日、ウエストポイント(陸軍士官学校)の特別見学研修を行った。2015年のツアーに続き2回目で、“陸軍士官学校のオリンピック”と言われる「サンドハースト競技会」も見学できるとあって約50人が参加した。
今回のツアーの見どころは「サンドハースト競技会」。これは、同地周辺40キロを走破しつつ、障害物乗り越え、ボート漕ぎ、水泳、射撃などの競技を行い総合順位を競うもの。米国内の士官学校、大学から50チーム、世界13カ国から14チームの計64チームが競技会に参加、日本からは防衛大学校チームが参加した。各チーム11人構成で、メンバーには女性を最低2人は入れることとなっている。
校内見学から始まったツアーでは、陸上自衛隊から教官として派遣されている米澤剛3等陸佐に加え、防衛大とウエストポイントの学生らが案内した。
案内する中で、米澤3等陸佐は学生生活の厳しさに触れ、「授業に1分でも遅刻をすると、重い銃を持って5時間も歩き続けなければならない。また、それ以上の違反があった場合は、100時間も歩き続けなければならない」と語った。見学は見晴らしの良いトロフィーポイントや、4000人が収容できる『ハリー・ポッター」に出てくるような食堂まで到り、それぞれ米澤3等陸佐の詳細な解説がなされた。
ウエストポイント・クラブでの昼食後には、ニューヨーク日系ライオンズクラブから学生たちに、日本語教材が贈呈された。米澤3等陸佐からは「将来の関係を友好的にするためにも、同校の学生たちに、日本についてより知ってほしいが、人材・資金不足の状態。未来のリーダーを育成に力添えできる人は、NY日系ライオンズクラブ(info@nyjalc.org)まで連絡してほしい」との話があった。
ツアーの最後には、メーンイベントのサンドハースト競技会の見学・応援があり、ゴール付近では、多くの日本人が日の丸を振って、精神的・肉体的にも限界を迎えている防衛大らのラストスパートを励ました。他のチームとの差を縮めてゴールすると大きな歓声が上がり、ねぎらいの言葉とともに差し入れの品が贈られた。
ツアーのバスの中では、後援のニューヨーク歴史問題研究会会長の髙崎康裕氏から、マッカーサーのことやウエストポイントまでの地理的なことなどの解説があり、参加者からは充実のツアーに満足げだった。
ツアーに掛かる経費を控除した収入は全て同クラブを通じ、チャリティーに使われる。
(2018年4月28日号掲載)