NYファッションウイークで西陣織、丹後ちりめんの魅力を世界に発信

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「フォーチュナトウキョウ」、サムライ・ルック披露

インタビューに応じるフォーチュナトウキョウのクリエーティブディレクター兼デザイナーの木場彰子さん=6日、ニューヨーク(撮影:中沢)

日本の伝統工芸文化とトレンドを融合させた「和モダン・クラシック」を提案するファッションブランド「フォーチュナトウキョウ(FORTUNA Tokyo)」が6日、2020年春夏「ニューヨーク・ファッション・ウイーク(New York Fashion Week)」(NYFW)に日本から初参加した。今回は新進気鋭のデザイナーを集めた合同ショーという新たな形式で注目を浴びる「フライング・ソロ(Flying Solo)」からの出場となった。会場となったチェルシーのピア59スタジオには、招待客や関係者ら多くが駆け付けた。

同ブランドは、同ショーのトップバッターを務め、平安時代から江戸時代にわたる、日本の侍文化にインスパイアされた「サムライ・ヒストリー」を8ルックで披露。コレクションのファーストルックには歌手としてニューヨークで活躍するヤング・パリス(Young Paris)さんを起用し、京都発祥の高級絹織物である西陣織とカーボンを組み合わせた西陣カーボンで作った甲冑(かっちゅう)を身に着け、刀を抜くポージングで観客を沸かせた。

また、西陣織を使用したネクタイを全ルックに取り入れ、同じく京都の絹織物である丹後ちりめんを生地に多用。シルクの扇子といった和風のアイテムもモデルに持たせた。

歌手のヤング・パリスさんがファーストルックに登場(提供写真)

ショーを終え、フォーチュナトウキョウのクリエーティブディレクター兼デザイナーを務める木場彰子さんは、「今回初めてのNYFW参加だったので、世界に向けて日本の文化である“侍”の歴史を改めて知ってもらいたいと思った。オープニングで日本の伝統であるルックを披露できたことは誇らしかった」と述べた。また、今回単独のショーのオファーもあった中、「フライング・ソロ」から出場した理由に、「若いデザイナーが多数集まるダイバーシティー(多様性)なショー形式に興味を持った」ことを挙げた。

8月5日からは、ソーホーにあるセレクトショップ「サーティン・クロスビー(13 Crosby)」での展開もスタート。着物などの需要が減っていき、絹織物の市場が縮小していく中、日本の伝統的なテキスタイル(織物)の魅力を米国にも今後広めていくのが狙いだ。

 

(2019年9月14日号掲載)

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