小暮代表「米国でも親子の絆を深めるきっかけをおもちゃで」
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「ピープル・ブロック」で遊ぶ子供たち
日本におけるベビー所有率約89%を誇るピープル社(本社・ 東京都中央区東日本橋、代表:小暮雅子氏、ウェブ:www.people-kk.co.jp)、“オギャーと生まれてから、 子供の発育と一緒に遊びが変わる”をコンセプトに乳幼児玩具を開 発販売している。同社では2016年、販路開拓と拡販を目的に、 ニューヨークに子会社「People Toy Company,Inc.」(www.peopletoy.co )を設立した。今春には、ジャビッツ・コンベンション・ センターで実施された西半球最大規模の玩具見本市「トイ・ フェア」にも出展。 磁石式のブロックを組み立てて楽しむピープル・ブロック・ シリーズ(対象:18カ月~)や、 日本で定番赤ちゃん商品として人気の「なめられ太郎(Educa tional Eddie Rattle)」「なめても安心 赤ちゃん専用新聞(Baby Newspaper)」などを世界各地から参加した1000社を 超える玩具メーカー、3万人を超えるおもちゃのプロ、7000人 を超える買い付け担当者に向けて披露した。
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米国版の商品「ピープル・タイムス」7.99ドル(税・送料別) 。対象年齢は4カ月から
ニューヨークでのトイ・フェアに出展した理由を「 世界に向けた情報の発信地としてニューヨークが果たす役割が大き いため」と話す小暮雅子代表。おもちゃにはぜいたく品・ 流行品という側面があり「世の中に広めるためには、 トレンドに乗る必要がある。 そのためにニューヨークで話題になることは大切」と考える。 しかし「ピープルのおもちゃはほとんどが、 流行とは関係ないもの。 大人に見せてもどこが魅力的なのか一見分からないものも多く、 でも適切な月齢の子供に与えると、夢中になって遊ぶのです」 と小暮代表は笑顔で語る。
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小暮雅子氏
米国市場に進出して約2年。 市場での反応が最も良かったのはピープル・ブロック(対象年齢1 8カ月以上)だ。磁石式なので、正確に組み合わせる必要がなく、 月齢の低い子供でも形を作り上げることが出来る。 ブロックを合わせると抽象的な形になるように出来ているこのピー プル・ブロック。
「大人はイメージ力が衰えて、 自分の知識の中でそれが何に見えるか見立ててしまいますが、 1歳半くらいの子供たちは、ピカソみたいな状態ですから。 とてもユニークな、なんだか分からない形でも、子供に『 キリンだよ』と言われて見直すと、ああ確かにそう見える! ってなったり(笑)。 抽象的な形だからこそ子供の創造性を引き出していくんです」。 生まれてから3歳までの間、 子供の興味は成長に合わせてどんどん変わっていくという。
「サルが人間になった400万年の進化の過程を、 人間はこの3歳までの間に通り過ぎていきます。 変化が激しいこの時期に合わせて、 脳が反応する好奇心を刺激してあげることが成長に役立つのです」 (小暮代表)
ピープル・ブロックへの好反応をきっかけに、 米国内の乳幼児向け玩具小売店へのさらなる展開を目指す。「 どのおもちゃで遊ぶかを観察したり、 同じおもちゃでも遊び方が変わっていく様子に気づくことで、 親が赤ちゃんの成長に気づくことも。 アメリカの赤ちゃんたちの成長を助けるだけでなく、 アメリカのお父さんお母さんが赤ちゃんと絆を深めることにも役立 てば…それが一番うれしいですね」
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「赤ちゃん新聞」の米国販売などを知らせる「People新聞」
(2018年9月8日号掲載)