倫理の生活法則を体験 人生観が変わり、顔つきも優しく

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ロサンゼルス倫理法人会会長 山本明美さん

From California Interview(6)

山本明美さん

米国における倫理法人会活動は、2016年に設立された「南カリフォルニア倫理法人会」からスタートした。翌17年には、「オレンジカウンティ倫理法人会」を分封、設立。18年、新たに同2単会を統括する「カリフォルニア州倫理法人会」が設立されたタイミングで、南カリフォルニア倫理法人会は「ロサンゼルス倫理法人会」と名称を変更し、再スタートを切った。今回は、ロサンゼルス倫理法人会の初代会長に就任した、山本明美さんにお話を伺った。(写真はいずれも山本さん提供)

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山本さんが経営するスパ「利楽園」は、02年のオープン以来、事業を拡大してきた。日本では、全国で20店舗を展開、220人の従業員を抱え、株式公開も果たしている。10年には、ロサンゼルス都ハイブリッドホテル内に米国1号店をオープン。現在はトーランスとレイクウッドで2店舗を運営する。

米国でのビジネスは日本の10倍大変

山本さんは、「米国でのビジネスは日本の10倍大変」と話す。人種、言葉、文化や生活習慣の違いに戸惑い、「まさに『井の中の蛙(かわず)』の状態でした」と振り返る。訴訟は何度か経験。米国では日本人経営者は狙われやすく、お金目当ての訴訟が多い。店は繁盛しても、それ以外の費用は計算外だったようだ。その中で米国で10年事業が続く理由について、「お客さまと従業員に支えられてきました」と話す。日本式スパの癒やし空間の中で、体を温め、自然治癒力を高める岩盤浴やボディケアはケアとキュアの両方作用があり、人を喜ばせる。それが事業への原動力となっている。

振り返ると、日本では経営で大きな苦難があった。会社員時代に培ったノウハウを生かし、出産を機に一念発起して、1988年にDTP・デザイン会社「アスク」を設立したのだ。事業は順調で、子供を抱え離婚も経験したが、時代の流れに乗って会社は業績を伸ばしていった。所属する青年会議所活動を通し、米国に社会起業家の勉強に行ったのがきっかけで、2002年にリラクゼーション事業を立ち上げた。現在の夫である倉石ルークと一緒に、話題の岩盤浴を取り入れた事業はたちまち大きくなるが、06年、週刊誌4誌が業界をたたき始め、全店舗に閑古鳥が鳴く。電車に乗ると、岩盤浴のネガティブな内容を扱う週刊誌の中づり広告を目にし、冷や汗が流れた。〈ここでくじけてはいけない〉と、日本岩盤温浴協会の発起会には300社以上が集まったが、1年後の同協会設立時には、同事業を継続している企業はわずか9社になっていた。幸いにも、会社が上場していたことと、リラクゼーション運営の他に開発事業を両輪で行なっていたために、生き残った。風評被害の恐ろしさを痛感したという。

労は全て自分に必要

山本さんは、「さまざまな苦労は全て自分に必要でした」と話す。続けて、「苦難は幸福の門、自分が変われば周囲が変わるという倫理の生活法則を身をもって体験しました。倫理を学んで人生観が変わり、従業員からも『社長は顔つきが優しくなった』と言われます」と話す。今後、ロサンゼルス倫理法人会をどのように広めていきたいかを問うと、「若い経営者の方々にたくさん参加してほしい。そして気軽に参加できて、倫理を楽しく学べるところにしたいです」と答えてくれた。

スタッフとともに

スタッフとともに

 

山本さんが経営するスパ「利楽園」

山本さんが経営するスパ「利楽園」のサイン

 

岩盤浴

岩盤浴

●プロフィル●
やまもと・あけみ
ASC Holding Inc. 代表取締役社長、ASC Healing Inc. 「スパ利楽園」創業者。デザインプロデューサー。ロサンゼルス倫理法人会・初代会長。法人レクチャラー。(社)日本青年会議所・福岡青年会議所OG。大手コンピュータ会社勤務後、1988年DTP関連の会社「アスク」を創業。企画デザイン、広告企画などを手掛ける制作プロダクションに。CI、VIデザイン、マーケティングで、大手金融、道路公団などの工事広報計画を手掛ける。その後IR支援会社として、IRツール制作で業績を拡大。2002年、自ら内装デザインを手掛ける。自然の和の癒やし「利楽園」を20店舗全国展開、リラクゼーション事業の企画から開発等のデザインプロデュース事業を数多く手掛けた。05年グリーンシート市場に業界初の株式公開。その後吸収合併、ジャスダック上場会社を経てMBO。米国では08年からホテルスパの開発を手掛け、デザイン会社と「スパ利楽園」経営及び、夫である倉石ルークとダラスの不動産投資、開発などさまざまな事業を展開している。

(2019年6月8日号掲載)

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