〈コラム〉FXDD提供「米国在住の誰もが気になる為替と世界の事情」第6回

0

FXDD_column

財務長官のサイン

 今年の1月に米国の新財務長官としてオバマ大統領から推薦されたジャック・ルー氏。しかし、彼のサインはあまりに幼稚で、オバマ大統領から「ドル紙幣の価値維持のために、せめてアルファベット1個ぐらいは読めるサインにしてほしい」と要請された話は有名です。そんなルー氏の米ドル紙幣に印刷されるサインが最近公表され、幾分読める文字になった、というニュースが話題になりました。
 昨年秋から懸念であった米国の「財政の崖」問題が、大晦日ぎりぎりになんとか破局を回避されて以降、民主党と共和党の間の連邦議会における財政問題についての戦いは鎮静化しており、前職が合衆国行政管理予算局長で財政・予算問題のエキスパートであるルー氏にとっても、大統領から期待された職務をなんとか遂行し、やっとサインの練習に充てる時間が取れたといったところでしょう。米ドル紙幣には、必ず財務長官のサインが表に印刷されますが、秋頃には、新しい財務長官の少しだけ読みやすくなったサインが印刷されたドル紙幣が流通することになりそうです。
 そして、ドル相場の行方を握るカリスマ、バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、来年1月の任期切れを前に、推し進めてきた量的緩和政策によるドル安政策の出口を自分の任期内に探るべく、動き出しています。積極的な金融緩和策によるドル紙幣のばらまきを続けてきたことにより“ヘリコプター・ベン”のあだ名を持つバーナンキ議長が緩和から引き締めへ転換したことにより、株式(とくに新興国)、商品、金、債券等が幅広く売られ、結果的にドル相場は上昇、財務長官の“読みやすいサイン”のおかげもあって、ドル紙幣への信任は保たれることになったのでした。
(次回は8月第2週号掲載)
〈情報〉FXDD World Trade Centerに本部を置くFXDDは世界180カ国に顧客を持つ為替ブローカー。日本語を含む13言語対応・24時間体制のカスタマーサポートでFX業界をリード中。親会社は世界28カ国でグローバルな金融サービスを提供しているTraditionグループ。
【ウェブ】www.fxdd.com【facebook】www.facebook.com/FXDDjapan

過去の掲載
FXDD_cbcp_2014_March21

Share.